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- アメリカでは、従業員が"充電"するための「静かな部屋」をオフィスに作る企業が増えている。
- アドビ(Adobe)といった企業には、今では従業員用の工芸室や音楽室がある。
- グーグルといったテクノロジー企業の間では、昼寝やメディテーション(瞑想)用の部屋が流行した。
「昼寝やメディテーションの部屋」の時代は終わった。コロナ禍を経たアメリカでは今、従業員が刺激の多すぎる開放的なオフィスに対処するための「静かな部屋」を作る企業が出てきた。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、従業員のメンタルヘルスを大事にしようと、彼らがリラックスしたり、"充電"するための場所を作る企業が増えているという。
アドビでは従業員は工芸室や音楽室でリラックスできると言い、オフィスで自分の感情のコントロールが難しいと感じた時などに気持ちを立て直したり、"充電"できる「静かな部屋」も準備していると、同社のワークプレイス・エクスペリエンス担当の責任者エリック・クライン(Eric Kline)氏は同紙に語った。
「従業員がきついと感じた時に1人になって、内省したり、頭を切り替えたりができる空間になるでしょう」とクライン氏は話している。
「静かな部屋」は、次の「昼寝の部屋」や「メディテーションの部屋」になりそうだ。「昼寝の部屋」や「メディテーションの部屋」はパンデミックによる社会的孤立の後の生活に再び適応するため、グーグルといった大手テクノロジー企業の間で流行した。
MillerKnoll Inc.のデザイン戦略部門の責任者ジョセフ・ホワイト(Joseph White)氏は、「静かな部屋」は電話ボックスのような基本的なコンセプトから、自然からインスピレーションを得た落ち着いた色調でデザインされた空間へと進化していて、場合によっては端末などの使用を禁止していることもあると、ウォール・ストリート・ジャーナルに語っている。
そして、現代アメリカの職場に適したデザインに生まれ変わっているのは、オフィスだけではない。大学キャンパス内にある学生寮などを専門とするインテリアデザイナーのリズ・トームス(Liz Toombs)氏は、部屋をメンタルヘルスのための空間に変えてほしいという要望が増えているとInsiderに話している。
トームス氏は、クローゼットや多目的室を居住者がバーチャルでセラピーを受けたり、1人の時間を過ごしたりできる場所に変えることが多いという。
「こうした要望を伝えて、そのスペースを活用していることは素晴らしいと思います」