レベッカ・ソウデンは、お金を管理する戦略に関する動画を公開している。予算の作成などの実用的な戦略だけでなく、支出の心理についても気を配っているという。
Emma Sowden
- レベッカ・ソウデンは「支出ゼロの日」など、お金を管理する戦略について動画を作成し、ティックトックで公開している。
- 「支出ゼロの日」とは、お金の使い方に関する習慣を見直し、貯蓄目標額を達成したり、借金を返済したりできるようにするチャレンジのことをいう。
- アメリカ人の支出が増加し、借金もふくれ上がっていることからこのようなトレンドが生まれた。
レベッカ・ソウデン(Rebecca Sowden)は初めての就職先であるアンソロポロジー(Anthropologie:衣類やインテリア雑貨などの小売店)で働き始めたとき、思っていたほど十分なお金がないことに気が付いた。
現在26歳のソウデンは、お金の扱いに関する考え方が幼少期とは大きく変化したとInsiderに語っている。彼女の家族は「超リッチ」ではなかったが、彼女が学校で良い成績を収めたり、バトントワリングの練習をしたりすると、家族がご褒美に買い物に連れて行ってくれた。
「卒業した時点で、私はパーソナルファイナンスについて何も知らないことに気が付いた。貯蓄が大切で、使った分以上に貯めるべきだということは知っていたが、買い物以外の趣味がなかった」
彼女は現在の自分を「慢性的な浪費癖から回復中」と表現している。
現在は広告関連企業でコミッションアナリストとして働くソウデンは、お金との付き合い方を見直した。お金の管理方法について動画を作成し、ティックトック(TikTok)で公開している。予算の作成などの実用的な戦略だけでなく、支出の心理についても気を配っているという。
「直感的によくないと分かっていながら浪費してしまいそうなときに、正しい金銭的決断をすることに焦点を当てたコンテンツを作っている。自分に染み付いた習慣から抜け出すためのライフハックのようなものだ」
ソウデンは、パンデミック初期に支出をどう扱うか再調整したことが、大きな転換になったと言う。アメリカ人の支出は、景気対策の給付金を得て全体的に増加したが、高インフレの影響で結局は歯止めがかけられた。さらにこの傾向は、Z世代や20代のミレニアル世代といった若い世代が多くの負債を抱えることに拍車をかけた。実際にミレニアル世代の負債は、他のどの年齢層よりも増えている。
ソウデンは、最近結婚したことも、金銭的感覚が変わったことの一因だと述べている。
「夫は節約家なので、足を引っ張るようなことはしたくなかった」
「支出ゼロの日」でお金が貯まる
彼女が推進するトレンドのひとつに「支出ゼロの日」というチャレンジがある。このハッシュタグをつけた動画の総再生回数は約170万回に達し、ティックトックを席巻している。
このチャレンジは文字通り、週に1日、お金を使わない日を決めて、目標とする貯蓄額に向けて取り組むというものだ。
「『支出ゼロの日』の実践は一見簡単そうだが、特に始めたばかりのころだとそうでもない。何をするにもお金がかかるし、(お金を使わないと)退屈してしまうから。(でも)このチャレンジをすると達成感が得られる。ゲームとしてやるので、みんな好きなんだと思う」
ソウデンはさらに自らを厳しく律し、週に3、4日、お金を使わないで済むかどうかを試している。
「普段1日に使う金額は、ランチが10ドル、コーヒーが3ドルというように、3日もすれば45ドルほどになったりする。これは思いのほかふくらんでしまうものだ。『落とし穴』となりそうなアイテムは1カ月を通して買わないという人もいる。私にとってのそれは洋服だ」
このような習慣を、クレジットカードを持ち歩かないといったことに加えて実践するといいとソウデンは言う。クレジットカードは多くの人にとって良いお金の使い方になると彼女も認めているが、それを持ち歩かなければ節約につながるとも考えている。
「これが私を大きく変えた」
彼女はスマートフォンからショッピングアプリも削除したという。
ティックトックユーザーの@thesavvysagittariusは、約1万3000ドル(約170万円)の借金を完済するまで、できるだけ「支出ゼロの日」を作るという目標を立てた。「支出を計算問題ではなく、行動として捉えている」と彼女は動画で語っている。コーヒー、外食、アマゾン(Amazon)などで必要のない買い物をしない「支出ゼロの4月」に挑戦したこともあるという。
「これとはまったく逆のことをやっていた」とソウデンは、パンデミックのピーク時の消費を振り返った。
「(浪費の)習慣が身に付いてしまっていた。このような行動はまったくサステナブルではない。もうこれ以上は無理。完全にやめる必要はないにしても、もっと気をつけなければならない。最近は収入が減少しているのだから」