アティフ・アフザルは、映画作曲家、シンガーソングライターであり、副業として不動産投資も行っています。
Atif Afzal
アティフ・アフザル( Atif Afzal )は不動産投資によって富を築き、経済的自立を実現したが、彼がお金をつぎ込むのはそこだけではない。
「私はピラミッドモデルに沿ってやっています」と37歳の映画音楽の作曲家兼シンガーソングライターのアフザルは、自身の投資戦略についてInsiderに語った。
ピラミッドをイメージすると、底辺は「最も低いリスク」を表す、と彼は説明する。「そこが私の投資の大部分を占めている不動産なのです。不動産はこれまで常に成長してきたため、私にとっては最もリスクが低いのです」
Insiderが確認したアフザルの固定資産税関連書類によれば、彼は2019年にニューヨーク州北部の不動産を購入したのを皮切りに、現在は4軒のタウンハウスを保有している。過去4年間で、彼の物件の価値は60%以上上昇したと推定される。そして、長期入居者に貸している3つの物件だけで、基本的な生活を全てまかなえるだけの家賃収入を得ることができたという。
不動産投資での成功に飽き足らず、彼は仮想通貨や株式市場など、他の種類の資産にも投資している。資産クラス内やクラス間で分散されたポートフォリオであればあるほど、リスクやボラティリティにさらされることは少なくなる。
アフザルにとってそれほど得意分野ではない仮想通貨と株式は、ピラミッドの底辺のすぐ上のレイヤーに位置する。
「仮想通貨とアルトコインに比重を置いています。株にも興味がありますが、非常に特殊です。株はたくさん持っているわけではありませんが、特定のものについては研究した上で、かなりの額を投じています。好きなのはEV関連ですね」(アフザル)
不動産がピラミッドの底辺にある理由
アフザルにとって、資金の大半を不動産に投資することは、「保守的なアプローチを採用する」ことを意味するという。「私の仮想通貨ポートフォリオは、明日には90%も下落する可能性があります。先月のシリコンバレー銀行の暴落のように、株式市場が暴落することもある。物事は起こりうる。でも、私の不動産があんなに急落することはありません」
不動産投資は、数字の面からも彼にとって理にかなっている。
「1950年には25億人だった世界の人口が、今では77億5000万人になっています。2050年には95億人に達すると言われています。今、世界人口の95%はわずか10%の土地に住んでいます。だから、これは単純な計算で、(不動産は)成長するはずなんです」
Insiderが取材した中で、不動産投資を倍増させている投資家は彼だけではない。
ノースカロライナ州を拠点とする投資家のジェームズ・バークレー(34)は、キャリアの大半をウォール街で過ごしたが、リスクリターンの観点からは、株式よりも不動産のほうがはるかに優れていると考えている。
大学を卒業して1年目に小さな会社で投資銀行アナリストとして働いた後、彼は2012年にクレディ・スイスでいわゆるセールス側に転身した。そして8年間、ヘッジファンドやアセットマネージャーにリサーチや銘柄を売り込む仕事をした。
「私は株式市場に精通しています。そして、リスク・リターンの観点からは、株式よりも不動産の方がずっと優れているとかなり確信しています。より少ないリスクで、より多くのお金を稼ぐことができるのです」(バークレー)
バークレーは金融の仕事では、かなり稼いでいた。初任給は6万5000ドル(約880万円、1ドル=135円換算)、最終的には62万5000ドル(約8400万円)を稼いだという。それでも、彼の700万ドル(約9億4500万円)の純資産の大部分は、彼の不動産投資によるものだと彼は言う。「私が稼いだお金は、ほとんど不動産からもたらされたものです」
彼の見立てでは、「S&P500指数は、過去100年間、平均して、年11~12%上昇している」という。「不動産を使えば、そのリターンと比べものにならないほどの儲けができる。なぜかというと、不動産では4通りもお金を稼ぐ方法があるからです」
不動産投資で富を築く4つの方法とは、バリューアド(改善の余地がある物件を、アップグレードによって価値を高めること)、ポジティブキャッシュフロー(家賃収入がすべての支出を上回ること)、負債返済(住宅ローンの支払いをするたびに、住宅の資本を築くこと)、レバード・アプリシエーション(てこの上昇:これは不動産投資の中で「最も価値の大きいもの」)だとバークレー氏は言う。
自分の不動産が値上がりすれば、それは評価と呼ばれ、お金を稼ぐ形となる。不動産の素晴らしいところは、(住宅ローンの貸し手から)多額のお金を借りて資産を購入できることだが、上昇分を一切分配する必要がないため、バークレーが「レバード・アプリシエーション」と呼ぶものを得ることができる。
シアトルに拠点を置く不動産投資家で、自力で億万長者になったトッド・ボールドウィンも同様に、不動産投資は富を生み出すうえで最も時の検証に耐えて成功しやすい方法だと考えている。仮想通貨のような不安定な投資では、「大金を稼ぐこともできるが、全財産を失うこともある」と語る。
「自分のお金で不動産を購入するとなると、1日で30倍、いや5倍のお金すら稼げません。でも不動産なら、時間が経てば億万長者になれることは間違いありません」
不動産を買うことは必ずしも簡単なことではない、と彼は強調する。不動産投資には時間、献身さと粘り強さが必要だが、「それはとても単純なことです。不動産を買って20年持てば、買った値段よりもはるかに高い値段で売ることができるのです」と彼は言う。
とはいえ、ボールドウィンは「自分が理解できるものに」投資すべきと考えている。彼にとっては、それが不動産への投資であり、より具体的には不動産の卸売り取引のことだ。ただ、それは個々の投資家にとって異なるという。
自己資金を投入する前に、その投資対象を友人に説明できるかどうか考えてみるべきだという。なぜその投資が賢い投資手段なのか、うまく説明できない場合は、足を踏み入れる前にもっとリサーチしてみることを勧めるという。