自称「中国のウォーレン・バフェット」郭広昌氏は年間利益が95%減少した会社の何十億ドルもの資産を売却した。「我々が売却しようとするものを誰も欲しがらくなった時は哀れだと思う」と彼は話している。
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- 中国のコングロマリット、復星国際の共同創業者の郭広昌氏は、2023年5月から資産を売却している。
- 復星国際は2022年に前年比95%減益を記録した。
- ブルームバーグによると、郭氏は「我々が資産を売却していることは、情けないことではない」と話しているという。
自称中国のウォーレン・バフェット、大富豪の郭光昌氏は、ほぼ1年間、資産売却を繰り返している。彼のコングロマリット、復星国際の2022年の年間利益は前年比95%減だった。
復星国際は2022年5月以降、南京鋼鉄の親会社の株式約20億ドル(約2673億円)、青島ビールの5億ドル(約668億円)超の株式、子会社への日本のリゾート施設の売却など、約50億ドル(約6683億円)相当の資産売却を行っているとブルームバーグ(Bloomberg)は2023年4月25日に報じている。
2023年4月2日、復星国際は、南京鋼鉄の親会社の株式55%を鉄鋼メーカー江蘇沙鋼集団に売却する計画が頓挫したことを受け、中国のコングロマリット、シティック・キャピタル(中信資本)に135億8千万元(約2618億円)で売却することで合意したと発表した。
しかし、郭氏はこれらの資産売却について公には問題視していないようだ。
ブルームバーグの報道によると、彼は2023年3月に開催された起業家フォーラムで、「我々が資産を売却しているのは哀れなことではない。我々が売却しようとしたものを誰も欲しがらくなった時は哀れだと思う」と述べたという。
投資家らはこの一連の売却に怒りをおさえているように見える。
香港証券取引所に上場する復星国際の株式は、2022年9月に4.6香港ドル(約78円)の安値を記録してから、2023年4月25日には1株あたり5.4香港ドル(約91円)に回復したが、2023年1月下旬に記録した約7.8香港ドル(約132円)から下がり続けている。現在、復星国際の時価総額は440億香港ドル(約7485億円)前後である。
中国東部の浙江省の貧しい家庭で育ち、伝説の投資家ウォーレン・バフェットとしばしば比較される郭氏だが、ブルームバーグ・ビリオネア・インデックス(Bloomberg Billionaires Index)によると、彼の個人資産は2022年9月から約60%増えて16億ドル(2136億円)になった。フォーブス(Forbes)は、郭氏の資産額は35億ドル(約4673億円)で、地球上で848番目に裕福な人物だとしている。
現在、復星国際の共同経営者の郭氏は、1992年に大学の同級生と10万元の資本金で同社の前身を設立したとロイター通信(Reuters)は報じている。復星国際のウェブサイトによると、同社では全世界で10万8000人の従業員が働いているという。
復星国際はInsiderのコメント要請に応じていない。