マクドナルドのフライドポテト。
Erin McDowell/Insider
- マクドナルドでハンバーガーと一緒にポテトを注文する人が少なくなっている。
- デリバリーの成長も鈍化していると、同社幹部が4月25日に語っている。
- だが、節約のために低価格のチェーン店を利用する人が増えることから、マクドナルドは景気低迷の「受益者」であることに変わりはないと、同社のCFOは述べている。
景気後退が予想される中、多くの人が節約するようになっており、マクドナルド(McDonald)ではハンバーガーと一緒にポテトを注文する客が減っていると、同社幹部が2023年4月25日に行われた第1四半期(1-3月期)の決算説明会で語っている。
クリス・ケンプチンスキー(Chris Kempczinski)CEOは「1回の注文あたりの価格がわずかに減少している。つまり、ポテトを注文したのか、1回の注文でいくつの商品を購入したのかといったことが、世界中のほとんどのマーケットで、若干ではあるが、確実に減少している」と投資家に説明している。
「確かに、客はドルやユーロの使い方に気をつかうようになった」と述べ、欧州の経済環境はアメリカよりも「厳しい」としながらも、昨年の秋に比べれば「状況は良くなっている」と指摘した。
アメリカにおけるファストフード店での飲食費は、過去1年間で7.9%上昇していることが、インフレのデータで示されている。マクドナルドでは昨年夏、「特に低所得者層」の一部の顧客が、コンボミール(セットメニュー)の替わりにより低価格なメニューを注文するようになったという。
マクドナルドではデリバリー事業も打撃を受けたようだ。デリバリーは通常、配送料が加算されるため、イートインやテイクアウトするよりも割高になる。
「デリバリーについては、単に額が大きいことの影響なのか、それとも実際に消費者の圧力の影響なのか定かではないが、成長は確実に鈍化していると思う」とケンプチンスキーは言う。
「まだ成長するだろうが、以前のような成長にはほど遠い」
しかし、最終的にマクドナルドは、この経済の不確実性から「確実に恩恵を受けている」とイアン・ボーデン(Ian Borden)CFOは言う。というのも、使えるお金が減ってしまった顧客は低価格のチェーン店を利用すると考えられるからだ。
顧客の購買意欲が低下しているにもかかわらず、第1四半期における米マクドナルドの既存店売上高は12.6%増加した。これは、メニュー価格と客数の両方が上昇したためだ。世界全体の売上は4%増加した。
「事業の見通しについて、我々の位置づけは確固たるものだという自信がある」とケンプチンスキーは述べた。
「我々のブランドに対する消費者の需要は依然として高い」