「経済や雇用市場で次に何が起こるかわからない」状況では、「クッション」を用意しておくとよいという。
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- アマゾンやメタが数万人の人員を削減するなど、レイオフは増加の一途をたどっている。
- だからこそ、職を失っても困らないように「キャリア・クッション」を用意しておきたい。
- 専門家は、リンクトインのプロフィールを更新し、ネットワーキングを強化することを勧めている。
同業他社や自分の会社の同僚が解雇されるのを見ながら、次は自分の番かもしれないと考えるのは恐ろしいことだろう。
アメリカではすでにレイオフが盛んに行われている。アマゾン(Amazon)、メタ(Meta)、ディズニー(Disney)などの大企業はかなりの人員削減を行っており、今後もこの流れは続きそうだ。
最悪のシナリオに備えるにあたって、「キャリア・クッション」でストレスを軽減できるだろうとリンクトイン(LinkedIn)のキャリア専門家であるブレア・ハイトマン(Blair Heitmann)は述べている。恋愛における「クッショニング」とは、現在のパートナーとうまくいかなくなった場合に備えて、次のパートナー候補を用意しておくことを指す。仕事ではプランBの保険のようなものだ。
この「キャリア・クッション」が注目されるようになったのは、「静かな退職(quiet quitting)」や「必要最小限のことしかしない月曜日(Bare Minimum Monday)」のようにキャッチーな言葉だということもあるが、自分のキャリアはある程度コントロールできるものだということを教えてくれるからだろう。
クッションを用意することで「経済や雇用市場で次に何が起きても大丈夫」と思えるようになるとハイトマンはInsiderに語っている。
「クッショニング」に関するヒントを紹介しよう。
ソーシャルメディアのプロフィールを更新する
ハイトマンによると、まず最初にすべきこと、そして最も簡単にできることは、リンクトインのプロフィールを更新することだという。その際、他のソーシャル・メディア・プラットフォームも更新しておくと「自分の専門性の幅を示す」ことができる。プロフィールには最新の職務経験やスキルを反映させることを彼女は勧めている。それを採用担当者が見れば、あなたが職務に適しているかどうか判断することができるだろう。
TopResumeのキャリアエキスパート、アマンダ・オーガスティン(Amanda Augustine)は、最近の業績評価や顧客の声など「プロフィールや履歴書を更新するための材料になりそうなもの」を手元に置いておくと役に立つと以前Insiderに語っていた。
ネットワークを強化する
誰かに頼み事がある場合、ずっと接触がなかった人にいきなり声をかけるよりも、交流が続いており、あなたが手助けしたことのある人のほうがお願いをしやすいものだ。ネットワークの強化が重要だということは、社会人であれば誰でも知っているが、実行するのはなかなか難しい。
ハイトマンは、比較的受け身な方法でもこれを実行できるという。例えば、リンクトインに自分の業界の方向性に関する洞察を投稿したり、同僚がシェアしたものにコメントしたりすることだ。
「ネットワークと人間関係は、双方向であるべきだ」
どうなりたいのかを考える
自分のキャリアで何を成し遂げたいかを考えることは、いつでも助けになる。もちろん目標とすることは進化していくかもしれない。
「たとえ今の仕事が好きで幸せを感じていても、一歩引いて考えてみるのはいい機会になる」とハイトマンは言う。仕事を失ったことがあれば「実際のところ、毎日何をして過ごしたいのだろう」と自問自答したこともあるだろう。目標を定めたら、その実現に必要なスキルや経験を明確にし、成功への「リバースエンジニアリング」を始めよう。
『The New Rules of Work』の著者は、新たな仕事を得るために必要な資格は何かといったことを感覚的につかむために、求人情報を常に閲覧することを勧めている。
ハイツマンは、キャリアを次の段階に進める際に、自分なりの計画を書き出していたという。
「それが、どのように準備すればいいのかをじっくり考える際に、いつも役立っていた。書き出して、ゲームプランを練るということだ」