旅費を抑えるには「フレキシブル」に計画することが大切。
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- 望んでいた休暇を実現させるためには、具体的な目標と資金計画を立てることが重要だ。
- 計画性を持って定期的に貯金することで、旅行資金を確保できるようになる。
- 節約術を活用し、旅行中も賢くお金をやりくりしよう。
休暇とは、ゆっくり休んでリラックスし、日頃のストレスから解放されるためのもの。そのための費用を心配しているようでは本末転倒だ。
だからこそ、賢く予算を組んで準備したい。休暇でかかると想定される全ての経費を慎重に考慮し、それを実現させるために賢く節約していく方法を見つければ、休暇のプランニングに関わるさまざまなプレッシャーから解放される。
休暇のために予算を組む理由
予算管理は役に立つ。退屈に聞こえるかもしれないが、計画を立てると本当に実現させることができるのだ。そして、資金面の準備ができていれば、家族との思い出づくりのために借金を抱える心配をする必要もない。
「予算は、理想のバケーションを現実にするためのツール」だと、予算管理アプリ「You Need a Budget (YNAB)」の創設者ジェシー・メシャム氏は説明する。
「旅行という項目を予算に組み入れ、その目標のために節約することでストレスを軽減し、休暇中は完全に日常を忘れ、お金の心配をすることなく旅を満喫することができる(そして旅行から帰った後、何週間、何カ月、何年もその支払いに追われることもない)」
夢のバケーションを現実にする4つの節約術
本記事では、旅行業界の専門家に聞いた、夢の休暇を実現させるために最も効果的な予算管理と節約術を紹介する。今すぐ実践して、次のバケーションに備えよう。
1. 目標に照準を合わせる
理想のバケーションをイメージすることは、予算管理のプロセスをスタートさせる上で非常に重要だ。
「旅行という目標のための予算組みなのだから、楽しい部分から始めよう。まず、どんな旅にしたいかを想像し、リサーチし、計画を立てる」と、メシャム氏は語る。
「どこに行きたいか、いつ行きたいか、どれくらいお金がかかるか。正確な金額は分からないかもしれないが、それでもフライトや宿泊、交通費、アクティビティー、ペットの世話、お土産、食事代などを考慮して、大体の経費を見積もることはできるだろう」
2. リサーチは念入りに
基本的なリサーチと見積もりがあれば、初期費用を算段することができる。Google TravelやReddit、Facebookのグループ、ブログ、ホームページ、その他ユーザー同士が意見交換できる場から得られる情報は、以前よりも充実している。
リサーチをしていると、他より格安に行ける場所を見つけられることもあるだろう。
旅行ブロガーのドリュー・ビンスキー氏は、「旅行は想像よりかなり安く行けるのに、お金がかかると思って敬遠してしまう人が多い」と指摘する。
「行き先を賢く選ぶのが最大のポイント。シンガポール、香港、日本などはお金がかかるが、低予算で旅行に行きたいという人は、東南アジアか中央アジア、中南米に行けば、1日50ドルで充分快適な旅行ができる」
早めのリサーチでお得な割引きに出会える場合もある。例えば、パリ行きの航空券は通常900ドル(約12万円)前後だと知っている人が、500ドル(約6万6000円)で販売されているのを見つけたら買い時だ。セールを利用して航空運賃を安く抑えよう。
3. 賢い戦略で貯金しよう
貯金は簡単ではないが、少しでも楽にすることができる賢い戦略をいくつか紹介しよう。
目標金額を日・週・月額に換算する:
休暇の予算として毎年3000ドル(約40万円)の貯金を目指す場合、それを1日に換算するとたったの8ドル(約1000円)、月額で250ドル(約3万3000円)だ。このように金額を小さくして考えると、より目標を達成しやすくなる。休暇までにあまり時間がない場合は、必要な合計金額を出発日までの月数で割ることをメシャム氏は提案する。
「貯金額が現実的でない場合は、休暇の時期を少し遅らせられないか検討すると良い。月々の貯金額が妥当と感じられるペースで目標額に到達するタイミングで休暇を調整しよう」
積立預金を開設する:
積立預金とは、将来予定された出費のために積み立てていく準備金を意味する。休暇の資金のために、積立預金を開設し積極的に貯金しておけば、実際に旅行の手配をする時期が来た時、気持ち良くお金を引き出すことができる。
別の口座に入金する:
別の銀行口座にお金を入れておくと、そのお金には手を付けづらくなる。貯金用の口座のデビットカードは携帯しないようにして、日常的な支払いが引き落とされる口座とは別々にしよう。
貯金を自動化する:
所得の一部が休暇の資金用の口座に自動的に入金されるように設定しよう。自動化は雇用主を通しても設定できるし、自分で行うことも可能だ。メインの口座から貯蓄用の口座に少なくとも月に1回(またはそれ以上)定期的に自動送金されるようにするのがお勧め。自動送金日を給与入金日と同じ日に設定すれば、残高不足も避けられるし、一度設定してしまえば、忘れていてもお金が貯まっていく。
生活費の裁量的支出を減らす:
現在の支出を見直し、削れるところがないか考えてみよう。外食するより家で食事した方が良いのでは? 保険を変えたり、サブスクを解約したら節約になるのでは? 家具や家電は中古品でも良いのでは? など、自分にとって休暇を取ることが重要なのであれば、あまり価値を感じない他の部分で節約すれば、休暇のための貯金がもっと楽になる。自分の価値観に合ったお金の使い方をしよう。
4. お得に旅行する裏ワザを習得する
最後に、限られた金額をやりくりして最大限に旅行を楽しむための賢い裏ワザを紹介しよう。
日程はフレキシブルに:
「ノマディック・マット(Nomadic Matt)」という旅行ブログを書いているマシュー・ケプネス氏は「お得に旅行するための秘訣の第一歩は、できる限りフレキシブルにすることだ」と言う。
「(7月にパリに行きたいなど)具体的な行き先と時期を決めてしまうと、旅行業界の決めた航空運賃と宿代を払わざるを得ない。しかし、(夏にヨーロッパに行きたいなど)もう少し柔軟性を持たせれば、フライトやホテルの選択肢もはるかに増え、コストを半分に抑えることができる」
ピークを避けて、安い時期に行く:
旅行客の少ない時期はホテルもフライトも価格がかなり下がる。例えば春と秋は観光客が減り、航空運賃も宿泊費も安くなる傾向がある。さらに、繁忙期を避けると観光地の混雑も避けられるという利点もある。
クレジットカードのポイント還元を活用する:
クレジットカードのポイントやマイルは、旅費を大幅に節約することができる強力で貴重なツールになる。
お金や旅行、生活のアップグレードなどに関するポッドキャスト「オール・ザ・ハックス(All the Hacks)」のMCをしているクリス・ハッチンズ氏は、「全くお金を払わずに旅行するのが好きだ」と言う。
「私はクレジットカードで貯めたポイントやマイルを活用して、フライトも宿泊も無料で世界中を旅してきた。新規登録の特典として10万ポイントや10万マイルものボーナスポイントを提供するクレジットカードも多く、そのポイントで取得した特典航空券で世界のどこへでも行くことができる」
クレジットカードのポイントで飛行機代やホテル代がカバーされれば、バケーションがより手頃になり、実現可能なものになる。
より多くの顧客がポイントやマイルを獲得、還元できるよう、クレジットカード業界全体が力を入れているので、このような特典を利用すれば思ったより手頃に旅行に行くことができる。
「フライトアラート」に登録する:
飛行機に乗る予定であれば「Airfarewatchdog」や「Scott's Cheap Flights」などのアラートサービスに登録しておくと良い。これは、格安の航空券が出るとメールやSMSで通知してくれるサービスだ。自分で何もしなくて良いというところが最大の利点で、通知が届いたらフライトを予約できるので、長い時間ネット検索して格安航空券を探す手間を省くことができる。
ディスカウントを探す:
アトラクションに入場するために高価なチケットを購入しなければならない時は、割引券を入手できる所を必ず探すようにしよう。例えば、遊園地のチケットはその近隣のコストコで割安で販売されている場合が多い。
コスパの良い周遊ルートを調べる:
最もコスパの良いルートで移動することも大きな節約につながる。ヨーロッパやアジアの一部の地域を周遊する場合、通常は公共交通機関が非常にしっかりしている。タクシーがとても安い地域もあれば、レンタカーの方が安く済む地域もある。都市部では徒歩や自転車で散策すると、自分のペースでその街の魅力をディープに味わうことができると、ビンスキー氏は推奨している。
不測の事態に備えよう
どんなに慎重に計画した休暇でも、うまくいかないこともあり得るということを忘れてはいけない。緊急でお金が必要になった時も対処できるよう、常に準備しておこう。
海外旅行の場合は、自分の国の大使館が現地のどこにあるか把握しておくことが大切だ。緊急で金銭的援助が必要になった場合、大使館が助けてくれる可能性もある。お金がなくなってしまいメインの口座にアクセスできなくなった場合に備えて、非常時用の現金や予備のクレジットカードまたはATMカードを携帯しておくのも賢い対策だ。
また、旅行保険に入っておくと、緊急の医療費や交通費、荷物の紛失や盗難など、さまざまな金銭的なリスクや損失から守ってくれるし、海外でなりすましの被害に遭った場合も助けてくれる。
バケーションは、仕事や日常生活のストレスから解放されてリフレッシュし、より健やかになって、充電された状態でまた日常に戻るためのもの。旅費の心配をしなくて済むよう賢く資金計画を行い、理想の休暇を実現させよう。