「AWS re:Invent 2022」の基調講演に登場したアダム・セリプスキーCEO。
AWS
アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services:AWS)は2023年4月24日、従業員のレイオフを開始した。アマゾン(Amazon)は全社で9000人の追加レイオフを実施する計画で、今回のAWSのレイオフはその一環だ。Insiderが閲覧した社内メールから明らかになった。
アマゾンのアンディ・ジャシー(Andy Jassy)CEOは4月24日、同社が2023年初めに発表した1万8000人のレイオフに加え、さらに9000人の従業員を削減する計画を発表した。ジャシー氏によると、この追加削減は今後数週間以内に行われ、AWS、ライブストリーミングプラットフォームのTwitch、同社広告事業の従業員に影響が及ぶという。
リークされた社内メールや全社会議に出席した従業員の証言によると、AWSのアダム・セリプスキー(Adam Selipsky)CEOは今回の削減にはアマゾンの巨大なクラウド子会社であるAWSの従業員の「わずか1桁台のパーセンテージ」が対象になると3月に述べていた。
どの部署が影響を受けているかはまだ明らかではないが、この件に詳しい2人の人物は、同社のProServe(プロフェッショナルサービスチーム)が特に大きな打撃を受けていると明かす。
アマゾンの広報担当者は、セリプスキーCEOが以下のメールを従業員に送ったことを認めている。
セリプスキーCEOのメール全文を以下で紹介しよう。
AWSチームのメンバーへ
ご存知のように、我々は先日、AWSを含む全世界のアマゾンのいくつかの部門を廃止するという難しい決断を下しました。本日、アメリカ、カナダ、コスタリカの影響を受けるすべての従業員に通知メッセージを送付し、影響を受けるAWS従業員との話し合いを開始したことをお知らせします。その他の地域では、現地のプロセスに従っており、従業員代表者組織との協議が行われる場合は、影響を受ける従業員とのコミュニケーションにさらに時間を要する可能性があります。
当社はいま厳しい状況にあります。私は、対象となったすべての人と家族への影響を十分に理解しています。我々は当事者となるすべての人に敬意を持って接し、その移行を支援するために多くのリソースとタッチポイントを提供するべく尽力しています。また、退職手当、健康保険の給付、外部への就職支援などを含むパッケージも用意しています。
今日でお別れとなる皆さん、今までこの事業と顧客のために尽くしてくれてありがとう。本当に感謝しています。すべてのAWSビルダーの皆さん、同僚への思いやりと共感をありがとう。
クラウドやAWSが提供するユニークな価値に対する顧客の需要に後押しされ、ここ数年で事業規模もチームの規模も大きく成長しました。この成長は、顧客が求めるものを構築するために、我々ができる限り迅速に動いたからこそ実現できたものです。
このような急成長と、全体的なビジネスおよびマクロ経済情勢を考慮すると、我々が最優先事項を特定し、それにリソースを集中投下することが極めて重要です。これは顧客にとって最も重要なことであり、そして我々のビジネスの針路を変えるものでもあります。多くの場合、これはチームメンバーが担当するプロジェクト、取り組み、チームを変更することを意味しますが、結果的に今回のような雇用削減に至るケースもあります。
当社の事業のファンダメンタルズは強固であり、今後の見通しに揺るぎはなく、長期的な展望に大きな自信を持っています。当社は機能パッケージ、セキュリティ、運用実績に至るまで、さまざまなベンチマークにおいてトップクラスのクラウドプロバイダーです。我々は顧客が経費を最小限に抑え、迅速にイノベーションを起こし、組織を変革できるよう、顧客にとって最も重要な領域でイノベーションを起こし続けることに注力しています。
私は未来について楽観的に考えています。我々は事業機会に挑戦し、困難を克服し、世界を変え続けていきます。
ありがとう。
アダム