セールスフォース、2人の共同CEOはなぜ電撃退社したのか。激変した企業文化の内幕、社員はもう「家族」ではないのか

マーク・ベニオフ

セールスフォース(Salesforce)のマーク・ベニオフ創業者兼最高経営責任者(CEO)。

Roy Rochlin, Mike Windle / Getty Images; Arif Qazi / Insider

2021年後半、セールスフォースはマーク・ベニオフ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)の言うところの「ビジネスにおける涅槃(悟りの境地)」にたどり着いたように見えた。

パンデミックでリモートワークや在宅勤務が急速に浸透し、クラウドベースのソフトウェアに需要が殺到したことで、セールスフォースは成層圏を目指すロケットの如き勢いで成長を遂げた。

2020年夏以降、同社の株価は過去最高を繰り返し更新し、なお高止まりを続けた。

ベニオフは年間売上高が5年以内に現状の倍となる500億ドルを突破するとの見通しを語り、セールスフォースはいまや史上最速の成長を遂げたソフトウェア企業になったと豪語した。

2021年8月、セールスフォースは経営幹部数十人をハワイに招いた。ハワイアンシャツにビーチサンダルという出で立ちのベニオフが自ら出迎え、1万ドルのカルティエの高級腕時計を配る毎年の恒例行事だ。

集まった経営幹部の中には、自ら創業したスラック(Slack)を277億ドルという途方もない金額でセールスフォースに売却した(買収合意は2020年12月)スチュワート・バターフィールドの姿もあった。

これほど決定的な成功を収めれば、ベニオフはもはや経営の最前線から身を引くことも可能なように思われた。

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