「スラッジ コンテンツ」がティックトックを席巻している。
Bea Nolan/FOX Image Collection/Getty Images, "Subway Surfers," "Tower Bash," "Slice It All."
- ティックトックで「スラッジ コンテンツ」という新しいトレンドが生まれている。
- このコンテンツは通常、2つ以上の無関係な動画を切り貼りして構成されている。
- このような動画は中身がないと切り捨てる人もいれば、癒されると感じる人もいてユーザーを二極化させている。
Z世代は、すでに過剰な刺激を受けていることで知られているが、ティックトック(TikTok)ではさらにその傾向が強まっている。
それはマルチスクリーンで構成された「スラッジ コンテンツ(#sludgecontent)」と呼ばれる動画で、今ティックトックを席巻している。クリエイターたちは2つ以上の無関係なクリップを切り貼りしてこの動画を作成している。混乱を生じさせるような動画ではあるのだが、夢中になっているユーザーもいる。
あるユーザーは、この少なくとも10個のクリップを重ねて作成された動画について、「心が丸くなった感じがする」と話している。
もちろん、このような動画が癒やしになるとは誰もが思っているわけではない。中には、この新しいトレンドにはイライラするという意見もある。「こんなのばかりで、もううんざりだ!!!」と、ある解説動画でコメントしたユーザーもいる。
このトレンドはZ世代特有のものだと何人かのクリエイターは嘲笑している。
ティックトックでは、スマートフォンのゲーム「サブウェイ・サーファーズ(Subway Surfers」の画面で、若い人たちの関心を引き付けようとする人も見られる。「あなたがピッチングをしている時、Z世代の観客を失い始めたら」とキャプションが付けられた動画では、プレゼン中の男性がゲーム動画の映ったノートPCを手にしている。
スラッジ動画によく使われるのは「サブウェイ・サーファーズ」のほか、各種スマホゲームの画面やテレビ番組『ファミリーガイ』などがある。
スラッジ動画の由来は不明だが、この動画はより長くコンテンツを視聴者に見続けさせるという意見もある。ティックトックのアルゴリズムは視聴時間が長い動画を優先的に表示するようで、長い時間視聴されるほどその動画の再生回数が増える傾向がある。
これは、視聴者が1つのクリップに飽きれば、別のクリップに目を向けるかもしれないという発想だ。この新しいトレンドは、単に頭を使わない現実逃避だと言う人もいる。
ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジでソーシャルメディアを研究しているアンドレアス・シェレワルド(Andreas Schellewald)博士はNBCニュースに、スラッジ動画は「遊び心があって、気を紛らわせることができ、深入りする必要がないものとして機能している」と語っている。
「座ったままで、目の前で物事が展開するのを見ることができる」