TikTokでトレンドになっている「ダイエットコークブレイク」が一部の若い労働者の間で人気だ。
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- 一部の若い労働者が「ダイエットコークブレイク」の様子をティックトックで投稿している。
- このトレンドは、仕事の休憩とダイエットコークをロマンチックに表現し、ワークライフバランスの価値感を強調するものだという。
- コカ・コーラの広報担当者は同社はこのトレンドと提携していないとInsiderに語っている。
冷水器の周りをうろついたり、マシンの前でコーヒーが出てくるのを待ったり、タバコを吸いに外に出る時代は終わった。今、一部の若い労働者は「ダイエットコークブレイク」を選び、その様子をTikTokで撮影している。
このトレンドは、一部のZ世代やミレニアル世代の労働者によってティックトック(TikTok)で取り上げられている。だがもちろん、このドリンクはイーロン・マスク(Elon Musk)やウォーレン・バフェット(Warren Buffett)などの一部のビジネスエグゼクティブが長年愛してきたものでもある。
ティックトックでは、ハッシュタグ「dietcokebreak」が1400万回以上再生されている。動画では、若い労働者が仕事の休憩中にダイエットコーク(DC)を飲む様子が紹介されている。彼らの中にはダイエットコークを飲むことで、「些細なことにロマンを感じることができる」とコメントしている人もいて、最近ビジネス雑誌フォーチュン(Fortune)も指摘するトレンドとなっている。
「コークでブレイクする」というアイデアは、コカ・コーラ(Coca-Cola)社の過去の広告の歴史でも頻繁に現れている。しかし、同社の広報担当者は、ティックトックの活動とは提携していないとInsiderに話している。むしろこのトレンドは、すべてティックトッククリエイター、そしておそらく敬虔なダイエットコークファンによって引き起こされているようだ。
セフォラ(Sephora)のプログラムマーケター、25歳のクリステン・セニンガー(Kristen Seninger)は、ティックトックでダイエットコークをロマンチックに表現するのがトレンドだと話している。セニンガーは、2022年にティックトックでの投稿を始める前からずっと自分は「ダイエットコークブレイク・ガール」だったという。
数十万ビューを獲得した彼女の動画では、ダイエットコークのためにマクドナルド(McDonald's)やチックフィレイ(Chick-fil-A)まで運転し、彼女はそれにレモンやライムのフレーバーを加えている。
セニンガーによると、このトレンドが広まる理由は人々に「些細なこと」を受け入れることを思い出させ、さらに若い世代が単調な会社や在宅勤務から離れて昼下がりのひとときを満喫できるからだという。
セニンガーにとっても、このティックトックでの撮影は日々の休憩時間をより楽しくするものとなっている。
「1日8時間もデスクに座っていたい人などいないだろうし、生活の中の小さなことにロマンを感じることで、視点を変えることができると思う。ダイエットコークブレイクは、一日のその時間をロマンチックに演出し、一息つくのに役立っている」とセニンガーは話している。
これらのTikTokはコカ・コーラブランドの良い宣伝になると同時に、若い労働者にとってますます重要になる「ワークライフバランス」というワークカルチャーを強調するものになっている。
別のティックトックの投稿では「ダイエットコークブレイクはメンタルヘルスを大幅に向上させるという研究結果がある」とキャプションを入れているクリエイターもいる。これは検証されたものではないが、ダイエットコークブレイクを実践する多くの人が同意していることのようだ。他にも「ダイエットコークブレイクをするようになって1日が10倍よくなった」 とコメントする人もいる。
このコメントはまったく根拠がないわけではない。人工甘味料で味付けされたダイエットコークは、最も健康志向の高い選択ではないかもしれないが、仕事中の休憩は労働者に良い影響を与えることができからだ。
仕事中に休憩を取ることは、従業員のモチベーションと集中力を高め、休憩は従業員の燃え尽き症候群を回避することにつながる可能性もある。
「ダイエットコークブレイク」という言葉は、一部の若い労働者が使う、仕事関連用語や習慣のリストにも加わっている。「静かな退職(Quiet Quitting)」、「月曜日は最低限の仕事しかしない(Bare Minimum Mondays)」などと同様、労働者が1日をどのように過ごすかを説明するために作った造語に過ぎない。
Z世代とミレニアル世代は、仕事の休憩時間とダイエットコークをティックトックでトレンドにしているが、実はこの炭酸飲料は明らかに彼らと世代が異なる経営者たちにも長く愛されてきた。
92歳のウォーレン・バフェットは、コカ・コーラの株式の約9%を所有し、コカ・コーラを愛飲している。過去には、1日に最低5缶のダイエットコークかチェリーコーク(Cherry Coke)を飲むとも話している。51歳のイーロン・マスクもかつては1日に8缶のダイエットコークを飲んでいたと認めている。