万引き、暴力、薬物の過剰摂取… サンフランシスコのホールフーズ旗艦店は、こうしてオープンから約1年で閉店した

ホールフーズ

Whole Foods Market

  • アメリカのサンフランシスコにあるホールフーズ(Whole Foods)では犯罪や危険な行為が相次いでいたとニューヨーク・タイムズが報じた。
  • ナイフによる襲撃や万引き、薬物の過剰摂取による死亡事故などで、来店客が何度も通報していたという。
  • 「チームメンバーの安全」を理由に、ホールフーズは4月にこの店舗を閉めた。

ホールフーズは13カ月前にオープンしたばかりのサンフランシスコの旗艦店を閉めた。万引きや暴力、薬物の過剰摂取による死亡事故が相次いだせいだ。

警察の報告によると、この店からは数百件の緊急出動を求める通報があり、14人の逮捕者が出たとニューヨーク・タイムズは4月30日(現地時間)に報じた。2022年9月にはフェンタニルとメタンフェタミンの過剰摂取で男性が死亡したという。

同紙によると、店を訪れた客が警備員をナイフで脅したり、消火器を従業員に噴射したこともあった。「売り場で用を足そうとした」客もいたという。

万引きも頻発した。アルコールや総菜売り場の食べ物などに加え、店内で使用される買い物かごも何百と盗まれたと報じられている。

Insiderはホールフーズの広報担当にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

同社は4月、オープンから1年ちょっとでこの店を閉めた。犯罪が相次いだことをその理由には挙げなかったが、「チームメンバーの安全を確保するため」だと説明している。

この店舗はサンフランシスコのダウンタウンの中でも特に賑わっているマーケット・ストリートにあった。地域を再び活性化させる取り組みの一環でもあった —— ニューヨーク・タイムズによると、パンデミックが始まって以来、この地域のオフィスに通勤していた人々は在宅勤務をするようになり、小売店などは営業を続けるのが難しくなっていたという。

ニューヨーク・タイムズによると、ホールフーズの店舗周辺では「屋外での薬物使用」が問題になっていたという。

サンフランシスコ警察のビル・スコット署長は、犯罪を抑止すべく、私服警官をホールフーズに送っていたと同紙に語った。

犯罪や安全を理由に店を閉める小売店は、サンフランシスコだけでなく、その他の大都市でも増えている。ただ、こうした主張には異論もある。

ドラッグストア大手のウォルグリーン(Walgreens)は2021年、万引きを理由にサンフランシスコの一部店舗を閉めた。ただ、同社のCFOは2023年1月、こうした問題について「大げさに騒ぎ過ぎた」と発言している。

2022年7月にはスターバックスが「営業の継続を危険にする、困難な事件が多発している」ことを理由にロサンゼルスやシアトル、ポートランド、オレゴンなどの複数の店舗を閉めた。閉店したスターバックスで働いていた従業員の中には、薬物の使用やその他の安全上の危険があったとInsiderに語る人もいれば、大げさだと話す人もいた

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