都市生活の未来を映す、工場で作られたハイテクアパートを見てみよう

クラウド・アパートメンツが開発したワンルームアパートのモデルルーム。

クラウド・アパートメンツが開発したワンルームアパートのモデルルーム。

Courtesy of Cloud Apartments.

  • 筆者は、建築スタートアップ、クラウド・アパートメンツのベイエリア工場で、ハイテクモデルルームを見学した。
  • 同社は、モジュールを積み重ねて最大150戸の集合住宅を建設することを計画している。
  • 家主と賃貸人の双方に質の高い住宅をより早く、より安く提供するこの工法は、未来につながるものだと確信した。

モジュール建築のスタートアップ企業であるクラウド・アパートメンツ(Cloud Apartments)を筆者が初めて知ったのは、2023年1月に同社が300万ドル(約4億円)を調達した時だった

クラウド・アパートメンツのモジュール式アパートのプロトタイプで記念撮影をする創業者のカーティス・ウォン(右)と施工責任者マシュー・ラパ(左)。

クラウド・アパートメンツのモジュール式アパートのプロトタイプで記念撮影をする創業者のカーティス・ウォン(右)と施工責任者マシュー・ラパ(左)。

Courtesy of Curtis Wong

Source: Insider


サンフランシスコのベイエリアで2年前に設立されたこの会社は、集合住宅のビルを建てる新しい工法を開発している。長方形のユニット(モジュール)を工場で製造し、それをトラックで現地に運び、積み重ねて最終的な構造体を作り上げるのだ

モジュールユニットを積み重ねてできた集合住宅の完成予想図。今年決定されるクラウド・アパートメンツ初の公式プロジェクトは、このようなデザインになる予定だ。

モジュールユニットを積み重ねてできた集合住宅の完成予想図。今年決定されるクラウド・アパートメンツ初の公式プロジェクトは、このようなデザインになる予定だ。

Cloud Apartments


2023年1月、創業者のカーティス・ウォン(Curtis Wong)(33)は取材に応じ、アパートの建設コストや家賃が30%削減できると語った。モジュール式だと、従来の工法に比べて建築スピードも速いという

カーティス・ウォン。ユニット内で撮影。

カーティス・ウォン。ユニット内で撮影。

Courtesy of Cloud Apartments


筆者は同社がカリフォルニア州リッチモンドに設置した工場に立ち寄り、ワンルームのモデルルームを見学した

カーティス・ウォン。カリフォルニア州リッチモンドの倉庫兼工場で撮影。

カーティス・ウォン。カリフォルニア州リッチモンドの倉庫兼工場で撮影。

Kelsey Neubauer/Insider


面積46平方メートルのこのワンルームがベイエリアのサンノゼに建てられた場合、家賃は約2500ドル(約34万円)になるだろう。サンノゼは、クラウド・アパートメンツ初となる公式プロジェクトを実施する候補地のひとつだ

筆者が見学したワンルームの3Dモデル。

筆者が見学したワンルームの3Dモデル。

Courtesy of Cloud Apartments

Source: Rent.com


天井から降りてくる電動ベッド、ビルトインされたサラウンドサウンド、気分によって変えられる照明など、その豪華さとハイテクに衝撃を受けた

リビングからキッチンの眺め。

リビングからキッチンの眺め。

Courtesy of Cloud Apartments.


玄関を入ると、壁にタブレットが埋め込まれているのが目に入った。ウォンは画面を操作して、昼間の明るい照明から夜間のムーディーな照明に変えた

壁に埋め込まれたタブレットで、室温、照明、サウンド、家具の配置などをコントロールできる。

壁に埋め込まれたタブレットで、室温、照明、サウンド、家具の配置などをコントロールできる。

Kelsey Neubauer/Insider


バスルームもおしゃれ。シャワーで歌うのが大好きな筆者は、天井に高音質スピーカーが埋め込まれていることにすぐに気がついた

バスルーム。

バスルーム。

Kelsey Neubauer/Insider


洗面台の鏡の周りには照明が埋め込まれ、夜のお出かけ前に化粧をするのに最適だと思った

バスルーム。

バスルーム。

Kelsey Neubauer/Insider


バスルームの隣にはウォークインクローゼットと洗濯乾燥機がある。小さなワンルームにしては広々とした印象だ

ランドリールームとクローゼット。

ランドリールームとクローゼット。

Kelsey Neubauer/Insider


オープンキッチンと隣接するリビングは、ボタンひとつでベッドルームに早変わりする

オープンキッチンに隣接したリビング兼ベッドルーム。

オープンキッチンに隣接したリビング兼ベッドルーム。

Kelsey Neubauer/Insider


キッチンを見てみよう。ワンルームにしてはかなり広々としていて、料理をするにも、友人と食事を楽しむにも十分なスペースが確保されている

キッチン。

キッチン。

Kelsey Neubauer/Insider


特に、キッチンのニュートラルな色づかい、形、質感の組み合わせは、控えめな高級感を醸し出していてすばらしい

ニュートラルな色づかいのカウンタートップとキッチンパネル。

ニュートラルな色づかいのカウンタートップとキッチンパネル。

Kelsey Neubauer


アイランドキッチンには、引き出し式の補助テーブルが内蔵され、狭いスペースでも使いやすい工夫がされている

補助テーブルを引き出した状態。

補助テーブルを引き出した状態。

Kelsey Neubauer/Insider


オーブンなどの家電も本格的

本格的な家電が備え付けられたキッチン。

本格的な家電が備え付けられたキッチン。

Kelsey Neubauer/Insider


最も驚いたのは、リビングがベッドルームに変わるテクノロジーだ

ソファの背もたれは、ベッドの背もたれにもなる。

ソファの背もたれは、ベッドの背もたれにもなる。

Kelsey Neubauer/Insider


リビングの天井は、長方形の木製パネルがはめ込まれているように見えるが、タブレットを操作するとそれが下りてくる

天井からベッドが数秒で下りてきて、リビングがベッドルームに早変わり。

天井からベッドが数秒で下りてきて、リビングがベッドルームに早変わり。

Courtesy of Cloud Apartments



ベッドメイクした状態で上下に動くベッドは、ソファの上にぴったりと収まる。ワンルームはこれらの家具付きで賃貸される

ベッドを完全に下ろした状態。

ベッドを完全に下ろした状態。

Courtesy of Cloud Apartments


リビング兼ベッドルームに面した折りたたみ式のガラス戸を開けると、屋根付きのバルコニーに出られる。雨の朝も、コーヒーを飲みながら、通りを眺めることができる

バルコニーから見た室内の様子。

バルコニーから見た室内の様子。

Kelsey Neubauer/Insider


全体を通して筆者は感銘を受けた。モジュラーユニットは空間としてのクオリティが高く、施工も良いことから、家主と賃貸人の双方に質の高い住宅をより早く、より安く提供する良い方法だと確信した

バルコニー側から見た室内の様子。

バルコニー側から見た室内の様子。

Courtesy of Cloud Apartments.

見学を終え、ニューヨークでこのアパートが建設されるのであれば、手に入れたいと考えるようになった。

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