リチャード・ソラーさん(96)。
Richard Soller
- リチャード・ソラーさんは85歳でマラソンを完走し、96歳になった今でも他の高齢アスリートと毎年、5000メートル走で競い合っている。
- 毎日5マイル(約8キロメートル)を走るまたは歩くこと、塩分の多いスナック菓子を控えることで健康を維持しているという。
- ソラーさんに長生きの秘訣を聞いた。
2012年、当時85歳だったリチャード・ソラーさんはシカゴマラソンで最高齢の完走者となった。あれから10年以上が経つ今でも毎日走っているという。
96歳になったソラーさんは今、7月に開催されるNational Senior Gamesに向けて準備している。大会では5000メートル走に出場予定だ。4年前、同じく5000メートル走に出場し、47分ちょっとというタイムですでに金メダルを獲得しているものの、活動的でいるため、そして長年の友人と再会するために大会に出場し続けている。
Insiderはソラーさんに長生きと健康の秘訣を尋ねた。
「夢や目標を追い続けていれば、うまくいくと常に感じています」とソラーさんは語った。
「やり続けたいし、やり続けるんだと心に決めています」
1日5マイル、走るか歩く
ソラーさんいわく、若い頃に比べると近頃はそれほど距離を走らなくなったというが、それでも1日1万歩 —— 約5マイル動くことを目標にしているという。
「座ってだらだらテレビを見たりせず、動き続けるようにしています。読書も好きですが、読むより動いている方がいいです」
Insiderでも報じたように、健康のためには"1日1万歩"が理想と考えている人は多いものの、この数字はもともと医学的なアドバイスではなく、歩数計のマーケティングだった。
データは1日に1万歩を歩く必要はないと示唆している —— 慢性疾患の予防にはこれよりも少ないウォーキングで十分だ。例えば、2022年のある研究では1日3800歩歩くことで認知症のリスクが低減し、短い距離を速いペースで歩くことで心臓疾患やがんの減少につながることが分かった。
ただ、ソラーさんにとって"1日1万歩"はいい目標になっている。ジムで歩いたり、走ったりすることもあれば、自宅で玄関と郵便受けの間を行ったり来たりすることもあるという。ウォーキング中はオーディオブックや音楽を聴いたりはせず、「良い考え」で頭をいっぱいにしているのだとソラーさんは語った。
「ポジティブなこと、友人のこと、日々の生活の中で起きたさまざまな良いことを考えています」
友人関係の維持にも真剣に取り組む
友人や家族との長電話も、ソラーさんの日々のルーティンの一環だ。
National Senior Gamesやその他の大会で出会った人たちを含め、ソラーさんはたくさんの友人がいることが自身の人生に対する前向きな姿勢につながっているという。
「電話もよく使うし、パソコンも使います。(友人とは)できるだけ会うようにしていますが、これだけ会わなければならない友人が多いとちょっと大変です」
Richard Soller
友人を大切にするソラーさんの姿勢が、明晰な頭脳を保つ役に立っているのかもしれない —— これまでの研究で、年を取っても認知機能が衰えない人は友人や家族との関係が良好なことが多いと分かっている。
年齢を重ねてから新たな友人を作ることは簡単ではないとソラーさんは認めつつ、自身は積極的に声をかけていく方だと話している。
シリアルやスープといったシンプルな食べ物を好む
食生活については、シンプルであることを心掛けている。朝食にはコーンフレークとオレンジジュースまたはグレープジュースを、昼食にはターキーかピーナッツバターのサンドイッチを、夕食には魚か鶏肉を食べるという。
大好きなのはスープだ。昼食では必ずと言っていいほどスープを飲む。そして朝食時やデザートの代わりに果物を食べることで、糖分の摂取を控えている。食べ過ぎると心臓疾患につながるとされる塩分の多いスナック菓子や赤身肉は取らないようにしているという。
レースの前にはエナジーバーとコーヒーで勢いをつける。
ソラーさんの1日の大半を占めるのはアルツハイマー型認知症を患っている妻(60代)の世話だが、自身の健康や社会とのつながりを維持するために日々努力することがソラーさんのモチベーションと幸せのカギだ。
「物事がうまくいかなくても、トンネルの先には光があります。良い人たちに囲まれ、正しい食生活を心がけましょう。あなたの人生も、わたしの長い人生と同じくらい素晴らしいものになるよう願っています」