メタはリールの広告収益分配プログラムをインスタグラムに拡大している。
Instagram, Tyler Le/Instagram
メタ(Meta)は、リールの広告収益分配モデルをいくつかの点で拡充し、本格的に見直す予定だ。あわせてインスタグラム(Instagram)のリールに広告収益分配メカニズムも導入する。
「リール広告」と呼ばれるメタの広告収益分配プログラムは、すでに1年以上にわたりフェイスブック(Facebook)でテストが行われている。フェイスブックでは、一部のクリエイターは自分のリールに表示されるオーバーレイ広告やポストループ広告から収益を得ることができる。
メタは、動画に広告を許可しているクリエイターに対し、「自分のリールに表示される広告の収益ではなく、公開された自分のリールのパフォーマンスに基づいて」報酬を支払う新しい方法をテストするという。メタのブログ記事で明らかにした。
フェイスブックによると、同プラットフォームでは従来、長編動画クリエイターに対して、広告のインプレッション数と「1000回の広告インプレッションに対して広告主が支払った金額」であるCPMに基づいて広告収益の取り分を支払ってきた。
新たな方法では、メタは特定の市場での広告のパフォーマンスに応じてではなく、プラットフォーム全体での動画のパフォーマンスに応じてクリエイターに報酬を支払う。つまり、メタがリール広告で稼ぐ総額をもとに、その一部をクリエイターに分配することになる。
リール広告をインスタグラムに拡大する動きの一環として、同プラットフォームでは、アメリカに拠点を置く少数のクリエイターと広告主を対象に、この新たなリール用報酬モデルのテストを開始する予定だ。インスタグラムでのテストは当面、招待者に限定される。
メタは、インストリーム広告プログラムを通じて、長編動画でもこのパフォーマンスベースモデルのテストを開始する予定だ。
フェイスブックは、1年以上前からリール広告プログラムのテストを行っている。
Meta
メタ(やその他の短編動画プラットフォーム)にとって、リールを収益化し、クリエイターに報酬を支払う方法を編み出すことは、長年の課題だった。
ティックトック(TikTok)は、2020年にクリエイターファンドを立ち上げ、2022年にはパルスと呼ばれるより洗練された広告収益プログラムの実験を開始した。ユーチューブ(YouTube)も似たような道のりを歩んでいる。2021年から2022年にかけて1億ドルのショートファンドが分配された。今年2月に同ファンドから、広告主がショートに支出した金額の一部を資格のあるクリエイターに支払う広告収益分配プログラムへと移行した。
3月にはメタも、短編動画の報酬を再評価し、月間再生回数に応じてクリエイターに報酬を支払う「リール再生ボーナス」プログラムをインスタグラムとフェイスブックで停止した。
フェイスブック責任者のトム・アリソン(Tom Alison)は3月、Insiderに対して次のように述べている。
「この空間にいる誰もが、何が正しいかを見極めようとしており、そのためにこのような混沌とした状況が現れているのだと思う」
メタのクリエイター向け短編動画収益化ツールの拡大が2023年の優先事項になると、アリソンは年初に述べている。