撮影:野口羊
もう2年ほど使っているフライパンのテフロン加工が剥げてきた。何を料理しても焦げ付いたりこびりついたりしてしまう。
フライパンのテフロン加工は意外にも高温に弱く、熱しすぎると劣化してしまう。
高い温度で野菜を炒めたり、肉に焼き色をつけたりするような使い方を頻繁にしてしまっていたことが、寿命を早めてしまったのだろう。
新しいフライパンを購入するにあたって、高温でも劣化せず長く使えて、鉄フライパンのように毎回油を塗ったりする手間もなく、汚れや焦げがこびりつかないものがないものかと探していた。
IKEAの多層ステンレスフライパン
IKEA SENSUELL(センスエル) 28センチ 5999円(税込)
撮影:野口羊
そこで見つけたのが、IKEAの3層ステンレスフライパン、SENSUELL(センスエル)だ。
アルミニウムの中間層をステンレススチールで挟んだ3層構造になっていて、かなりどっしりとした重みがある。
この重厚な3層構造のおかげで熱まわりがよく、均一に加熱でき、肉などもこんがりと仕上がるらしいのだ。
テフロン加工ではないので高温で扱っても全く問題なく、ステンレスなので錆びる心配もない。鉄フライパンのように油を塗ったりする必要もない。
しかし、テフロン加工のないフライパンが、本当にこびりつかないのだろうか。
コツをつかめばこびりつかない
撮影:野口羊
購入前に商品説明やレビューなどを確認したところ、まず強火でしっかりとフライパン自体を熱してから調理することで、こびりつかなくなるらしい。
また、保温性がしっかりしているため、一度強火にしたあとは火を弱めて省エネで調理ができるのだとか。
果たして本当だろうか、実際に使ってみることにした。
「こんがり焼ける」という部分の検証も兼ねて、鶏むね肉のソテーを作ってみることにする。
撮影:野口羊
まずは説明にあるように、強火で熱していく。
撮影:野口羊
熱したフライパンに少量の水を入れたときに、球状になって転がっていくようであれば、しっかり温まった合図。
この工程を経ることで、食材がこびりつかなくなるらしい。
撮影:野口羊
バターを溶かしてフライパン全体に行き渡らせたら、鶏むね肉を皮目を下にして入れていく。
しっかりフライパンが温まっているので、ジューというおいしそうな音とともに、火が入っていく。
撮影:野口羊
保温性を信じて火を弱めてみたが、たしかにそれでもしっかりとジュージュー焼けている音が聞こえる。
撮影:野口羊
片面が焼けたかなというタイミングで、裏返してみるとこの通り。
こんがり焼き色をつけることができた。
撮影:野口羊
鶏肉両面と、付け合せのラディッシュに火を入れ終わったあとのフライパンがこちら。
多少は焦げが見えるが、肉がこびりついてしまうようなことは全くなく、フライパンの上をスムーズに動かすことができた。
撮影:野口羊
この肉汁が出たフライパンの上でソースを作っていると、フライパンに残った焦げもスルッとこそげ落とすことができた。
体感としては、やはり新品のテフロン加工のフライパンほどのスルスル感には敵わないものの、実用上では問題がないレベルでしっかりと食材を動いてくれる。
撮影:野口羊
シンクで洗う際も、汚れを落としづらいと感じることはなかった。
フライパンのフチ部分にうっすらと焦げが残っても、鍋肌はすべてステンレス。テフロン加工が落ちる心配がないので、タワシなどで心置きなくゴシゴシ洗うことができる。
撮影:野口羊
完成した鶏肉のソテーがこちら。
しっかり高温で焼き色をつけて、こんがりと仕上げることができた。
フライパンの保温性が想像以上に高く、普段の感覚で火入れをしたせいで、少し焼き色をつけ過ぎてしまった。今後はこのフライパンにあわせて更に弱火を意識して使おうと思った。
ものすごく重い
撮影:野口羊
高温にも強く、コツをつかめばこびりつきづらく、こんがり仕上がるこのフライパン。
良いこと尽くしのフライパンのようにも思えるが、1.8キロもの重量とそれによる取り回しづらさはデメリットだと感じた。
今まで使ったどのフライパンよりもズッシリと重く、中華料理のように軽快に鍋を振るようなことはやりづらい。
握力の弱い人などには、かなり扱いづらいのではないかと思う。
この重厚さのおかげで保温性が高くなり肉がこんがり仕上がるという側面もあるので、仕方のないものとして割り切るほかない。
一生使えるフライパン
撮影:野口羊
ステンレス3層構造のフライパン、センスエル。
IKEAで販売されているフライパンの中では最も高価なシリーズではあるが、テフロン加工の劣化を気にすることなく、これから先もずっと使っていくことができる。
もちろん新品のテフロン加工のフライパンには敵わない部分もあるし、少しでもこびりついてしまうと失敗する卵料理などは、不安でまだ試せていない。
しかしながら、低温〜中温で気軽に使うテフロン加工のものと併用する形で、高温でしっかり火を入れたいときのための1本として持っておくと、テフロン加工のフライパンの寿命も延ばすことができそうだ。