「ZWEI」などの結婚相談所を運営するIBJ。ウェブサイトを撮影。
撮影:横山耕太郎
ZWEI(ツヴァイ)やサンマリエなどの結婚相談所の運営や婚活パーティー事業を手がけるIBJが5月17日、2023年12月期第1四半期の決算説明会を開催した。
IBJは3月に独占禁止法違反の疑いで、公正取引委員会の立ち入り検査を受けと発表。株価が急落していた。
立入検査後では初めての決算説明会となったが、石坂茂社長は「調査中以上のことは言えないが、会社を挙げて、私自身も真摯(しんし)に対応していきたい」と述べた。
独禁法違反容疑「どう着地するのか重要」
決算説明会に傘下したIBJの石坂社長。
オンライン会見を編集部キャプチャ
公正取引委員会による立ち入り検査についてIBJが発表したのは3月23日。
その前日の3月22日の株価は820円だったが、23日以降に急落。3月27日には680円にまで下落した。
決算説明会では、「事業が成長しているにも関わらず株価が低下している。経営陣はどう評価しているのか?」と質問があった。
「調査が入ったことをきっかけに株価が下がってしまったことは非常に残念なこと。事業的には影響がないことを、この第2四半期以降、証明していきたい」
「半年以上かかってしまうと思いますが、どのような形で公正取引委員会との話が着地するかということも重要。株価については我々がどうこうすることはできないが、ご評価いただけるように真摯に対応していく」(石坂社長)
他ネットワークの利用を阻んだ疑い
IBJのプレスリリースを撮影。
撮影:横山耕太郎
Business Insider Japanでは、個人や異業種の法人が結婚相談所を開設する動きがあることを報じてきた。
新たに参入する事業者は、数十万円から百数十万円の利用料を支払うことで、結婚を希望いている結婚相談所の利用者のデータベースを利用できる。利用者のデータベースサービスは、IBJに加えて複数社が運営している。
NHKなどの報道によると、IBJは2016年頃から、自社の利用者データサービスだけでなく、他社のサービスを併用している結婚相談所に対して、会員を紹介せずに取り引きを妨害していた疑いがある。この行為が、独占禁止法に抵触している可能性があるとされている。
決算は「手堅い」内容
売上高は堅調に推移している。
出典:2023年12月期第1四半期「決算説明資料」
この日の決算説明会の質疑では、公正取引委員会の立ち入り検査を受けたことによる、業務への影響を問う質問もあった。IBJではCM放映をしているが、「配信などは予算通り進めていく」とした上で、次のように話した。
「経営戦略については、公正取引委員会との話し合いの中で、一部をアップデートしたり、改善変更したりしていくことはあるかもしれない。
ただ大枠の事業自体は、今の第2クォーターでは、影響をそれほど受けているわけではない。
一部の事業戦略の面で、創意工夫や改善をする可能性はあるかもしれないが、今のところ何もまだ決まっておりません」
一方で、2023年12月期第1四半期の決算自体は手堅い内容だった。
売上高は38億6400万円(前年同期比5.9%増)で、営業利益は5億3400万円(同26.1%増)。
加盟する結婚相談所の数も増え、前年同期では3181だった相談所数は、約20%増の3803にまで増え、業績を牽引している。