2022年4月27日、ジェノバのイタリア工科大学(IIT)で、ロボット「iCub 3」の製作に取り組むエンジニア。
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- 世界経済フォーラムが発行する「Future of Jobs」の2023年版レポートが公開された。これは世界の大手企業の人事及び経営幹部を対象をしたアンケート調査に基づいている。
- それによると、2023年から2027年にかけて急成長すると予測される職種として、AI・機械学習スペシャリストがトップに挙げられた。
- 「現在の雇用規模に対して急成長する職種は、テクノロジー、デジタル化、サステナビリティに牽引されている」とレポートに記されている。
世界経済フォーラム(WEF)が発行する「Future of Jobs」の2023年版レポートによると、「AI・機械学習スペシャリスト」が、2023年から2027年にかけて最も成長する職種と予測されている。
このレポートは、世界の大手企業803社の人事担当責任者や経営幹部を対象としたアンケート調査に基づいている。
「現在の雇用規模に対して急成長する職種は、テクノロジー、デジタル化、サステナビリティに牽引されている」とレポートに記されている。
この急成長する職種のランキングは、サステナビリティ・スペシャリストが2位、ビジネス・インテリジェンス・アナリストが3位と続く。
これらの職種の多くは、何年も前からランキングの上位を占めており、雇用市場が「技術導入と自動化」に基づき、「構造的に再構成」されていることを示唆しているようだ。
レポートは次のように記している。
「世界的なマクロトレンドと混乱が、政策立案者、雇用者、労働者にとって、これまでにない複雑な環境を生み出し、不確実性とボラティリティは高いままになっている」
「そのため2023年初頭には、グリーントランジション(環境配慮や持続可能性のある社会への移行)と生成AIの雇用への影響に関する悲観的な予測がメディアで話題となったが、アンケート回答者は、これらの分野が将来の雇用創出を大きく牽引するとも考えている」
調査によると今後5年間で、多くの雇用が増加する一方、失われる雇用はさらに多いと予測される。
「本レポートのデータセットに反映されている6億7300万件の雇用のうち、回答者は構造的に増加する雇用が6900万件で、減少する雇用が8300万件だと予測している。これは、1400万件の純減であり、現在の雇用の2%に相当する」
世界各国の経営幹部が予測する、2023年から2027年にかけて急成長する職種トップ10を以下に紹介する。レポートの調査結果に基づき、今後5年間における雇用の増加率予測と、その増減幅(雇用の減少率予測も含む。構造的な変化の大きさを示す)を併記した。
10位 デジタルトランスフォーメーション専門職
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雇用の増加率予測(2023年~2027年):29%
増減幅(2023年~2027年):33%
9位 農業用機械オペレーター
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雇用の増加率予測:30%
増減幅:41%
8位 ビッグデータ・スペシャリスト
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雇用の増加率予測:30%
増減幅:31%
7位 ロボティクス・エンジニア
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雇用の増加率予測:30%
増減幅:39%
6位 データ・アナリスト、サイエンティスト
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雇用の増加率予測:31%
増減幅:34%
5位 フィンテック・エンジニア
Nitat Termmee/Getty Images
雇用の増加率予測:31%
増減幅:31%
4位 情報セキュリティ・アナリスト
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雇用の増加率予測:31%
増減幅:31%
3位 ビジネスインテリジェンス・アナリスト
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雇用の増加率予測:32%
増減幅:35%
2位 サステナビリティ・スペシャリスト
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雇用の増加率予測:33%
増減幅:34%
1位 AI・機械学習スペシャリスト
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雇用の増加率予測:39%
増減幅:40%