投資信託からETFへ、私が運用方針を切り替えた4つの理由

本記事の筆者、エリック・ローゼンバーグ氏

The author, Eric Rosenberg. Courtesy Eric Rosenberg

  • 10年以上前に投資を始めたとき、運用資産の大半は投資信託だったと、本記事の筆者であるエリック・ローゼンバーグ氏は語る。
  • しかし、徐々に投資信託からETF(上場投資信託)を重視する戦略へと変わっていった。
  • 多くの点でETFと投資信託は似ているが、ETFには複数の有力な利点があり平均的な投資家にとって良い選択肢であるという。

ETF(上場投資信託)は人気のある投資ファンドの一種である。ETFの投資口を買うと、その資金は他の投資家のお金と一緒に株式、債券、その他資産の投資に回される。そう聞くと投資信託に似ていると思われるだろうが、それはETFに投資信託と同じような機能があるからだ。だが、この2つには大きな違いがあり、投資家はそれを知っておく必要がある。

私は大学を卒業した翌年の2008年から投資を続けている。投資を始めたころは、長期投資資産の大半を投資信託に振り向けていた。だが、ここ数年は主にETFを重視する戦略に切り替えている。

ETFが投資において優れた選択肢である4つの重要な理由と、私のポートフォリオでETFの割合が増えているわけをご説明しよう。

1. ETFはすぐに換金できる

投資信託の歴史は古い。米国で初めて今日の投資信託が登場したのは1924年であり、約100年もの間、投資家は大規模に運用するために投資信託という合同運用を選択してきた。1970年代まで、投資信託といえば実質的にすべてアクティブ投資信託だったが、運用会社バンガード(Vanguard)の創業者ジョン・ボーグルが1976年に当時の潮流に逆らう決断を下し、最初のインデックスファンドを構築した。とはいえ、運用方法を除けば、インデックスファンドも投資信託とほぼ同じ規則に則っていた。

どの投資信託も取引は1日に一度、市場の引け後しかできない。一方、ETFはまさに株式のように一日中取引できる。急いで売りたいなら、売りボタンをクリックするだけでETFの取引時間内にほぼ瞬時に約定できる。だが投資信託だと売却するのに引け後まで待たなければならない。

2. ETFは往々にして手数料が投資信託よりも低い

投資信託は、投資家に売買手数料を課すことができる。また投資信託は、運用資産残高の割合に応じて投資家に信託報酬やその他費用を毎年請求する。この年間費用は総経費率と呼ばれ、アクティブ運用ファンドの場合は約0.5~1.0%のことが多いが、時に2%を超える投資信託もある。

バンガードによると、投資信託全体の総経費率は平均0.63%である。これは、S&P500種株価指数のような市場指数に連動する低コストのインデックスファンドが、全体の総経費率を押し下げるからだ。

ETFは株式のように 大半の主要証券会社で手数料なしで取引できる。売買手数料もかからない。総経費率は発生するものの、投資信託を大幅に下回る傾向にある。

バンガードによるとETF全体の総経費率は平均0.23%であり、投資信託の約3分の1だ。同じ車や家電に3倍以上の値段を払う人はいないだろう。同じく、似たような投資商品に手数料を3倍以上も払うだろうか? 私なら絶対にしない。

3. ETFの選択肢が増えてきた

2008年に私が投資を始めた頃、米国には投資信託は約8000本、ETFは700本しかなかった。データ調査会社のスタティスタ(Statista)によると、投資信託の数はさほど変わっていないが、ETFは今や2000本以上に上る。私が投資を始めた頃に比べるとETFの数は2倍以上に増えており、ほとんどすべての投資スタイル、目的、ニーズに合ったETFがあると言える。数自体は投資信託をまだ下回るが、私がそうだったように、自分のニーズを満たしてくれる十分な選択肢があるだろう。

4. ETFはほぼすべての投資目的に活用できる

すべての指数、コモディティ、貴金属、通貨、資産配分、さらにはオルタナティブ資産にさえも実質的に連動するETFを購入できる。市場に連動するETFもあれば、市場と反対方向に動くETFもあるし、非常にリスクの低いETFもリスクが高いものもある。投資家が積極的か消極的かは大事ではない。2020年以降、自分のニーズに合った投資信託がないと嘆く必要はなくなった。最適なETFポートフォリオを確実に構築できるのだ。

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