オールバーズ、主力商品に再注力するも成長鈍化に直面【第1四半期業績】

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REUTERS/Shannon Stapleton

※この記事は、小売業の変革の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」からの転載です。

オールバーズ(Allbirds)は、2023年第1四半期(1〜3月)の決算発表で、予想を上回る結果を示したにもかかわらず、大きな業績の好転はまだ先のようだ。

ウールのフットウェアの企業である同社は3月、上場企業としてはじめて丸1年を終えるのに合わせて、新しい「転換計画」を発表した。このときに共同創業者で共同CEOのジョーイ・スイリンガー氏は、同社の財務業績が「期待を下回った」と説明し、同社の強みがより発揮できるように事業を転換することを宣言した。

判断するにはまだ早いものの、同社は目標に向けて進んでいるとはいえない。同社は5月9日火曜日、2023年度の第1四半期の収益が、2022年度の同期と比べて13.4%減少したことを報告した。同社は、この減速の理由の一因として、「平均販売価格の低下」と、「外国為替による推定120万ドル(約1億6300万円)のマイナス影響」だとしている。

顧客とつながる4つの施策

スイリンガー氏は決算説明会で、業界が「1月に重点的なプロモーションを行い、その後の2月に減速し、3月の銀行の取り付け騒ぎにより悪化する」のを経験し、結果が「困難なマクロ経済の背景」のもとで生じたことに言及した。「業界の逆風や、今四半期は2022年の第1四半期よりも商品の発売予定が少ないにもかかわらず、オールバーズの商品への需要は、特に3月に計画を上回った」と、同氏は付け加えた。

この新しい業績は、スイリンガー氏が、「オールバーズが中核顧客と再びつながり、新しい顧客とも出会うことができる」4つの分野を特定してから2カ月後に報じられた。これには、オールバーズの主要な商品への集中、米国での出店の抑制、国際市場での代理店モデルへの移行、および2022年に開始したキャッシュの最適化作業のさらなる加速が挙げられていた。スイリンガー氏は、同社が現在、「成長を促進する当社の計画に沿って着実な進展を果たしており、利幅も拡大している」と決算発表で述べた。

垂直展開での苦戦

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