機関投資家向けファンドマネージャーが教える、あらゆる状況を乗り切ることができるポートフォリオ構築戦略

ケンブリッジ・アソシエイツの北米年金プラクティスの責任者、ソナ・メノン。

ケンブリッジ・アソシエイツの北米年金業務責任者、ソナ・メノン氏。

Sona Menon

S&P500指数は2022年、金利の急速な上昇、インフレの高止まり、景気後退への懸念によって20%下落した。

良いニュースは、利上げが2023年の最大の関心事ではないということだ。投資会社のケンブリッジ・アソシエイツ(Cambridge Associates)の北米年金業務責任者兼OCIO(Outsourced Chief Investment Officer)であるソナ・メノン(Sona Menon)氏は、連邦準備制度理事会(FRB)の目標であるインフレ率2%がすぐに達成されなくても、インフレの懸念はすでに軽減していると語る。

メノン氏が裁量権を持つのは、寄付金、財団、年金、医療機関など複数の機関投資家のポートフォリオだ。そのため、彼女が下す投資の意思決定は、あらゆる状況を乗り越え、何世代にもわたる持続性を持つ必要がある。

彼女は、株式の評価は高水準だが、これは景気後退リスクを反映しておらず、2023年後半に近づくにつれて穏やかな景気後退が予想されると述べている。

「年初来、S&P500指数はすでに9.52%も上昇しているため、下落の可能性があります。さらに同指数の好実績は狭いセクター、特に超大型テクノロジー株に依存しています」

メノン氏は、特定のマクロ経済的成果を中心にポートフォリオを組むのは難しいと強調する。代わりに、彼女の目標はリスクを乗り越えようとするトップダウンのアプローチではなく、クライアントの目的に基づいてボトムアップでバランスを生み出すことだ。

「つまり、株式による攻めの資産を優先し、守りのために債券を追加するポートフォリオを組むということです」

あわせて読みたい

Popular