バンドエイドが、アメリカで「最も信頼されているブランド」のトップだった。
BRENDAN MCDERMID/Reuters
- モーニング・コンサルトの調査によると、バンドエイドがアメリカで「最も信頼されているブランド」となった。
- このパーソナルケアブランドは、アマゾン、Visa、UPS、フェデックスを抑えている。
- 消費者は、新興のブランドよりも、よく知られているブランドに手を伸ばしがちだとモーニング・コンサルトは指摘している。
アメリカで最も信頼されているブランドは、何でも売っているようなウェブサイトではなく、切り傷ができたときに手に取るビニール片を製造しているブランドだった。
モーニング・コンサルト(Morning Consult)が調査した2023年版「最も信頼されているブランド(Most Trusted Brands)」のレポートによると、トップはジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)のパーソナルケアブランド、バンドエイド(Band-Aid)だった。アマゾン(Amazon)は3位で、今回初めてトップ10にランクインした。
モーニング・コンサルトによる2023年版「最も信頼されるブランド」トップ10。
Morning Consult
どこにでも存在することで消費者の信頼を獲得している企業があるとモーニング・コンサルトの食品・飲料アナリストであるエミリー・モークイン(Emily Moquin)は言う。一方、バンドエイドのように「よりニッチなブランドでありながら、やるべきことを本当によくやっている」企業もあると評価する。
「バンドエイドには、安全、ケア、ウェルビーイングといった価値観が根底にある。それが信頼感につながっている。親が子どもをケアする、あるいは自分の切り傷を治すということと関連するからだ」
その他、石鹸やシャンプーメーカーのダヴ(Dove)、ティッシュペーパーブランドのクリネックス(Kleenex)、消毒液メーカーのライソール(Lysol)など、パーソナルケアブランドがランクインした。配送サービスのUPSは2位、そのライバルであるフェデックス(FedEx)は10位だった。また、チェリオス(Cheerios)、ビザ(Visa)、ウェザー・チャンネル(Weather Channel)もランクインした。
モーニング・コンサルタントの調査はおよそ1500のブランドを対象に行われたとモークインはInsiderに語っている。バンドエイドは2022年にもランキング上位に入った。ライソールとクロロックス(Clorox)は昨年のランキングで2位と3位だった。
ハリーズ(Harry's)、グロッシアー(Glossier)、ダラーシェイブクラブ(Dollar Shave Club)といったパーソナルケアブランドは、近年売上を伸ばし、100年以上の歴史を持つブランドに挑戦している。しかし、この調査によって、多くの顧客は依然として、長い歴史を持つブランドに惹かれる傾向にあることが示されているとモークインは言う。
この調査では、特定の業界におけるランキングも発表しており、そこでも老舗の大企業が上位を占めた。例えば、小売・eコマースではアマゾンが1位を獲得し、ホームデポ(Home Depot)、ロウズ(Lowe's)、ターゲット(Target)がそれに続いた。
インフレが続く中、多くの消費者が手頃な価格で価値のある物を求めている。それは、消費者が特定の業界で高い評価を得ているブランドに目を向けるようになったということでもある。
しかし、価格の上昇は消費者がより安い代替品を探すきっかけにもなる。モーニング・コンサルタントが行った2022年の「最も成長したブランド」調査によると、ウォルマート(Walmart)のクリームチーズブランドが上位にランクインした。その要因は、フィラデルフィア(Philadelphia)のクリームチーズが不足し、値段も高くなったことだった。