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- ブラジャーを身に着けている人はもういないと、アメリカンイーグル(American Eagle)のエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターは指摘した。
- ブラレットやクロップトップといったアイテムが人気になっているからだ。
- その結果、アメリカンイーグルやその姉妹ブランド「エアリー(Aerie)」は商品ラインナップの見直しを迫られている。
もう誰もブラを身に着けていない。少なくともアメリカンイーグルの幹部はそう考えている。
「女子はブラトップを着ています」とアメリカンイーグルとエアリーのプレジデント兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのジェニファー・フォイル(Jennifer Foyle)氏は5月24日の決算発表で語った。
「なので、ブラジャーは必要とされていません。わたしたちはそのことと、彼女たちが肌に直接触れるものをどのように身に着けているのかに注目しています」
エアリーでは女性用のアンダーウェアや部屋着、スポーツウェア、パジャマなどを販売している。若い消費者が主なターゲットのため、アンダーウェアはブラレットやライトリーラインドブラといったアイテムに力を注いでいる。
ただ、トレンドは変化していて、アンダーウェアの身に着け方も変わったという。「このカテゴリー全体が変化しています」とフォイル氏は語った。
ブラレットやクロップトップといったアイテムは近年、"アウター"として人気になっていて、既存のブラの必要性が失われている。イギリス版ヴォーグ(Vogue)は、4月に開催された雑誌『The Daily Front Row』のAnnual Fashion Awardsでは多くのゲストがブラレット —— ロングスカートやパンツと合わせるスタイルが多かった —— を選んでいたと報じた。
エアリーの主要ライバルであるビクトリアズ・シークレット(Victoria's Secret)まで公式サイトに"アウター"として着ることができるブラトップの専用ページを設けていて、コルセットトップや刺しゅう飾りのバルコネットブラといった商品が並んでいる。ランジェリーブランドのポアモア(Pour Moi)も公式サイトでビスチェやブラレット、レースのボディスーツなどを「見られるために着る」アイテムとして紹介している。ただ、いずれのブランドも際どいスタイルを販売しているように見える。
「チラ見せ戦術というより、ワードローブの定番の代わり」だと『InStyle』はこのトレンドについて報じていて、服の下から下着をのぞかせる1990年代や2000年代のトレンドとは異なると指摘している。「(このトレンドは)下着を普段着として着用するものだが、必ずしもスキャンダラスなものとは限らない」という。
パンデミックは人々のアンダーウェアに対する考え方も変えた。それがブラの売り上げにも影響している。ロックダウン(都市封鎖)で部屋着の売り上げが急激に伸び、人々が快適さを優先する中でブラはクローゼットの奥へと追いやられた。経済活動が再開しても、ブラを避け続ける人たちもいた。
ブラへの関心が低下したとはいえ、アスレジャー人気が続く中でエアリーのアクティブウェア「Offline」のスポーツブラへの需要は高まっているとフォイル氏は話している。
現在、300店舗近くを展開しているエアリーは、アメリカンイーグルの第1四半期の売り上げの3分の1近くを占めている。