アップル、カンヌライオンズ広告祭で話題作りの仕掛けを企画中? 背景に広告ビジネスの競争激化

アップル

REUTERS/Mike Segar/File Photo

アップル(Apple)は通常、業界の大規模イベントでは極めて控えめに宣伝するため、同社が参加していたことさえ気づかないことも多い。

カンファレンスや博覧会にアップルの関係者が参加すると、通行人がバッジの名前や社名を読めないように、ストラップをひっくり返すことで知られている。

しかし、6月19日に始まる南リビエラでの広告業界恒例のフェスティバル「カンヌライオンズ広告祭」では、アップルは参加者の耳目を引いて大きな話題を起こすことを計画している。

大きな賭けに出るタイミング

複数の広告業界関係者によると、アップルはにぎやかなクロアゼット通りに位置するアイコニックなカールトンホテルの最上階にスペースを借りているのだという。

そこではアップル幹部が会議、ランチ、ドリンクイベントを主催する予定だ。また、関係者らによると1週間のプログラムも計画しており、パネルの話題にはApple TV+のスポーツ、Apple News、アプリ、拡大するアップルの広告サービスなどが含まれる予定だ。

トア・ミレン氏

2019年のカンヌライオンズに登場したアップルの幹部トア・ミレン氏。

Richard Bord/Getty Images

アップル幹部は以前にもカンヌのメインステージに登壇し、マーケターとしてのアップルの視点について論じたことがある。しかし今年のアップルは、折しも広告販売者としてのアップルがかつてなく大きな賭けに出ているこのタイミングで存在感を出してきている。同社はサービス事業の拡大を目指しており、広告収入の増加が見込まれている。今年1〜3月の同事業の収益は210億ドル(約2兆9400億円)にのぼる。

アップルはすでに、強力な広告販売ビジネスの構築に向けて多額の投資を行っている。アップルは現在、デマンドサイドプラットフォームを開発している。これは、広告主が行うさまざまな広告やサービスのバイイングを自動化できるソフトウェアだ。また今年は、サッカーメジャーリーグの独占放送の中での広告とスポンサーシップパッケージの売り込みを開始した。

しかし一方で、ユーチューブ(YouTube)、ディズニー(Disney)、ネットフリックス(Netflix)などの競合他社もストリーミングテレビ広告事業を強化し、積極的に広告主に売り込みをかけている。アップルが広告費を獲得するのはそう簡単なことではなく、いくつかの明確な欠点を克服する必要がある。

今のアップルに足りないもの

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