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- アメリカでは「サマー・オブ・プライド」というコレクションを発表したザ・ノース・フェイスを保守派が標的にしている。
- 共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員といった保守派の人々は同ブランドのボイコットを呼びかけている。
- ザ・ノース・フェイスの親会社VFコーポレーションは、ドラァグクイーンを起用した今回のキャンペーンを擁護している。
ドラァグクイーンを起用したプライド月間のキャンペーンをめぐって、ザ・ノース・フェイスが保守派の強い批判にさらされている。
インスタグラムの先週の投稿で、ドラァグパフォーマーのパティ・ゴニア(Pattie Gonia)さんはザ・ノース・フェイスの「プライドの夏(Summer of Pride")」キャンペーンの一環として、人々に大自然の中に「カムアウト」するよう呼びかけた。
「自然はあなたをありのままに受け入れてくれます」という言葉からザ・ノース・フェイスのキャプションは始まっている。
このキャンペーンはすぐに保守派の怒りを買った。共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員もその1人で、ザ・ノース・フェイスは「子どもたちをグルーミングしている」とツイートし、ボイコットを呼びかけた。
FOXニュースによると、一連のコレクションには当初子ども服も含まれていたが、反発を受け、ザ・ノース・フェイスは公式サイトから削除したという。ただ、レインボーテーマの子ども服はザ・ノース・フェイスの商品を扱っているスポーツウェア店のウェブサイトで購入できるとFOXは報じている。
子ども服を公式サイトから削除したと見られるザ・ノース・フェイスだが、「プライドの夏」キャンペーン自体は擁護している。
Insiderは同ブランドの親会社VFコーポレーションにコメントを求めたが、回答は得られなかった。ただ、同社は「(ザ・ノース・フェイスは)アウトドアは全ての人にとって快適で、公平かつ安全であるべきだと常に考えています」とFOXにコメントしている。
「このビジョンを実現するために、わたしたちはパティ・ゴニアさんのようなパートナーをサポートできることを光栄に思い、感謝しています」とVFコーポレーションの広報担当は話している。
「今年で2年目を迎える"プライドの夏"シリーズはあらゆるバックグラウンドを持つ人々が集まり、アウトドアの楽しさを体験できる、より身近で快適な環境の醸成に貢献しています」
インスタグラムの投稿によると、ゴニアさんがザ・ノース・フェイスの「プライドの夏」キャンペーンのスポークスマンを務めるのは今年が2年目で、今後さまざまな都市を回る予定だ。保守派はLGBTQコミュニティを支援するキャンペーンを展開する小売業者に対して特に強く反発していて、今年は多くの人々がボイコットを呼びかけている。
ターゲット(Target)やバドライト(Bud Light)のキャンペーンに対する反応と同じく、保守派の人々はさまざまなアクティブウェア、フットウェア、マルチカラーのブランケットなどを販売するザ・ノース・フェイスのコレクションに対して、すぐに怒りをあらわにした。
ターゲットのCEOブライアン・コーネル(Brian Cornell)氏は5月26日(現地時間)、アメリカ各地の店舗でLGBTQ関連商品の一部を撤去した決定を擁護した。同社の広報担当は、この選択は「チームメンバーの安心や健康に影響を与える脅威」に対応するものだったとInsiderに語った。