ChatGPTで国語の問題を作成。NotionAIで授業を要約。AIを子育てに使う…上場IT企業社長の場合

OPENAI-CHATGPT

REUTERS/Dado Ruvic/Illustration

AIを活用してどう業務を効率化するか。

各方面でそのノウハウやスキルが注目を集めている中、我が子の勉強にChatGPTやnotion AIなどを活用する方法をnoteで公開しているのが、インティメート・マージャー社長の簗島(やなしま)亮次さんだ。

DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を手がける上場IT企業の創業社長。多忙を極めることは想像に難くないが、2児の父親として毎日夜8時には必ず子どものための時間を作っているという。

簗島さんはAIを用いて「子どもに勉強を教えること」を、どのように効率化しているのか。

ChatGPTで国語の問題を作成。塾の勉強もAIでサポート

インティメート・マージャーで代表を務める簗島亮次さん。

インティメート・マージャーで代表を務める簗島亮次さん。

取材時の画面をキャプチャ

例えば、小学3年生の長男の「国語」の勉強では、購読している朝日小学生新聞の「天声こども語」をもとに国語の問題を「作っている」

簗島さんはまず、新聞記事を読み上げてGoogleDocsで音声認識&文字起こしをしたり、OCR機能を使ったりしてテキストデータとして抽出。そのデータをChatGPTに読み込ませ、「文章から国語の問題を4つ作ってください。また、その正解も教えてください」などと問題を考えさせている。

音声入力はスマホひとつでできるため、仕事の合間に作業が可能。

天声こども語を使っているのは、国語が苦手だったという自身の経験から、興味の持てる文章を題材にすべきと考えたためだ。簗島さんは「題材が新鮮でおもしろいと、子どもも一生懸命読み解こうとする」という。

簗島さんは、GoogleSpreadSheetのセルにテキストを貼り付けると、自動で問題を作ってくれるシートを作成。

簗島さんは、GoogleSpreadSheetのセルにテキストを貼り付けると、自動で問題を作ってくれるシートを作成。毎回OpenAIにアクセスするのが面倒だから、とのこと。(一部テキストにぼかしを入れています)

簗島さんのnoteより引用

最近は、子どもの習い事や学習塾の授業が、動画や音声としてオンラインに公開されていることも多い。簗島さんはそうした授業動画も、Notion AIを使ってハックしている。

授業動画があるということは、そこから音声データのみを抽出することが可能だ。この音声データをLINEのCLOVA Noteで文字起こしして、Notion AIに要約する。それを元にMermaid形式に書き出し、マインドマップを作成している。

理科の授業をNotion AIを使ってまとめたもの。

理科の授業をマインドマップにまとめたもの。授業の要点が視覚化されてわかりやすくなる。

簗島さんのnoteより引用

こうすることで、今日子どもがどんな授業を受けたのか、概要を把握できるという。

「どういう要点で授業が行われているのか、先生が覚えて欲しいと思っているのはどの部分なのか、子どもの授業の予習、復習をサポートできる。AIを使うことで親のバイアスをかけることなく、ある意味では客観的に、要点を押さえた学習ができます」

子どもに勉強を教えるにしても、学習のレベルが上がれば上がるほど親側がうまく教えるのは難しくなってくる。

自分の不得意な教科ならなおさらだ。答えや考え方の理由をうまく説明できずに、思わず「そういうものだから」と雑に押し付けたり、誤った答えに導いてしまったりすることもある。

当然子どもには誤った答えを教えたくはないし、雑なコミュニケーションで子どもの勉強意欲を邪魔したくもない。

だからこそ「フェアに客観的に物事を教えるために、第三者としてのAIを活用するんです」 と簗島さんは言う。

「AIパパ」が子どもの疑問になんでも回答

AIパパのイメージ

AIパパには、「あなたは先生です。9歳の子どもにわかるように300文字以内で答えてください」といったプロンプトが仕込まれている。「プロンプトでアウトプットを最適化してあげることで、子どもに分かりやすい答えになるようにしている」という

簗島さんのnoteより引用

「フェアに客観的に」というのは、簗島さんが普段の子どもたちとのコミュニケーションにおいても気をつけていることだ。

簗島家では家庭内のコミュニケーションにLINEではなくSlackを活用しているというが、そこでは「AIパパ」というBOT(質問に自動回答するプログラム)が、子どものあらゆる質問に答えるという。

BOTの背後で動いているのはChatGPT。質問に対して小学三年生にわかる言葉で応えるようにプロンプトが仕込まれている。さらにそれを、Googleの「Text-to-Speech」を用いて、合成音声で読み上げられるようにもしている。

AIパパには、「あなたは先生です。9歳の子どもにわかるように300文字以内で答えてください」といったプロンプトが仕込まれている。「プロンプトでアウトプットを最適化してあげることで、子どもに分かりやすい答えになるようにしている」という。

「『なぜ漢字を覚えなきゃいけないのか?』という質問に、僕だったら『とりあえず覚えろ』って言ってしまいがちなんですが、AIパパは『日本人にとって、自己表現をする上でとても重要な要素です』みたいな回答をする。僕だったら考えつかないような、客観的で視野が広くて常に冷静な答えが返ってくる。


しかも何回でも何十回でも嫌がらずに答えてくれるので、子どもの『なぜ?』を突き詰めていける。将棋の藤井聡太さんが最初はAIから学んで、途中からAIに勝ってどんどん強くなっていったように、AIで壁打ちしながら知りたいことを深掘りしていくのは、子どもにとってすごく良いのではないかと思っています」(簗島さん)

生身の親が子どもの壁打ちにつき合える時間は限られている。忙しいときに子どもから質問されると、ちゃんと答えてあげなければと思いつつ、ついつい「うるさい」などと冷静に対応できないこともある。

実は簗島さんは、親が子どもに言ってしまいがちな言葉を、ChatGPTを使って子どもに伝わる言葉へと言い換えた「魔法の言葉ライブラリ」をKindle本として自ら電子出版もしている。

「〇〇という言葉を前向きな表現で子どもに伝えるための言葉に変えて」というプロンプトで、ポジティブに言い換えたライブラリを作成。「ChatGPTで作る:言いたいことを子供に前向きに伝える魔法の言葉」

「〇〇という言葉を前向きな表現で子どもに伝えるための言葉に変えて」というプロンプトで、ポジティブに言い換えたライブラリを作成。「ChatGPTで作る:言いたいことを子供に前向きに伝える魔法の言葉」というタイトルで、Kindle向けの電子書籍として公開している。

撮影:三ツ村崇志

例えば、「静かにしなさい」は「静かにしてくれると嬉しいな」、あるいは「もう少し静かにしてくれると、周りの人たちも気持ちよく過ごせるよ」といった具合だ。

「こういうときになんて言えばいいんだろうって悩んだときに、こういうライブラリがあると結構役に立ちます。自分で言ってしまって後悔した言葉などを、ChatGPTに言い換えてもらっています」

言い換えた言葉を心に留め、思わず口走ってしまいそうになったときには思い出すようにしている。

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