本当に使える折りたたみ傘がほしい。
長傘はかさばるし、折りたたみ傘だと本降りの雨には頼りない。濡れた折りたたみ傘をたたむのも面倒だ。
ドイツ生まれ。8250円の折りたたみ傘
クニルプス「VISION」 税込8250円。
撮影:美里茉奈
今回、奮発して購入したのはクニルプス(knirps)の「VISION」という傘。
クニルプスは1928年創業、世界で初めて折りたたみ傘の生産を開始したドイツのメーカー。ヨーロッパでは「クニルプス=折りたたみ傘」と言われるほど広く認知されているようだ。
正直、8250円の傘は高い。
コンビニのビニール傘は1000円未満だし、折りたたみ傘だって2000円くらいで買える。しかし、1本くらいきちんと見える傘を持っておいてもいいかもと思ったのだった。
その実力を見ていこう。
ワンタッチで自動開閉
撮影:美里茉奈
何より便利なのが、ワンタッチで自動開閉できるということ。柄の部分のボタンを押すだけで傘が開き、もう一度ボタンを押すと自動で閉じる。
撮影:美里茉奈
今まで使っていた折りたたみ傘は、シワシワにならないようにたたんだり、閉じる時にたまに指を挟んだり、使った後が地味にストレスだった。
傘を留めるバンドが太めなのも使いやすい。
500mlペットボトルとA4ファイルと並べてみた。
撮影:美里茉奈
肝心の持ち運びだが、たたんだ時の長さは約27センチ。500ミリリットルのペットボトルと比べるとやや大きく、A4ファイルの縦の長さくらいだ。A4サイズが入るカバンやバッグであれば十分持ち運びできる。
重さは335グラム。見た目に反して軽く作られている。コンビニで販売している一般的なビニール傘の重さは400グラムなので、それよりも軽い。
しかも頑丈。大雨・強風でも安心
シャワーをかけたところ、すごい勢いで水を弾いた。
撮影:美里茉奈
肝心の雨が降った時はどうだろう。写真で見やすいように、バスルームでシャワーを傘に浴びせてみた。
ご覧の通り、しっかりと水を弾いている。ささっと傘を振るだけで水が切れるから、たたんだ後も手や荷物が濡れなくていい。
撮影:美里茉奈
折りたたみ傘の弱点とも言える骨組みも見ていこう。
VISIONの骨組みは8本で、中のシャフトは先端に行くほど太くなっている。耐久性を高める作りとのことだ。暴風域レベルの風速33.3メートルにも耐えうると言う。
実際は、そのような嵐の中で傘を使うのは危険なのでおすすめしないが、強い風が吹いても傘がひっくり返らないのは頼りになる。
万一、壊れても安心の5年保証
撮影:美里茉奈
クニルプスの傘は、購入日からの5年間の保証付きだ。破損した場合は、新品と交換してくれる。
交換の際には、保証書が付いているパッケージやタグと購入履歴の領収書が必要になる。捨てずにとっておこう。
8000円は安くないけど……
撮影:美里茉奈
丈夫で自動開閉できる折りたたみ傘、というだけであれば2000〜3000円くらいでも買えるだろう。しかし、8000円の傘の方が長く使い続けられると思った。
クニルプスは300個以上のパーツを全て自社で開発するなど、機能的にも長持ちするだろうが、何より奮発して購入した傘だから、大切に長く使いたいと思っている。
コンビニのビニール傘を使っていると、いつの間にかなくしていることがある。その場の必要に迫られて、愛着が持てないものを買う行為を一つ減らせたのも嬉しい。
リサイクル素材を使用。撥水加工はPFASフリー
撮影:美里茉奈
クニルプスは、傘メーカーの中でもいち早くサステナブルな取り組みを始めた企業だ。
傘の生地に使われている撥水剤には、環境汚染の原因となるPFAS(有機フッ素化合物)を使っていない。水をはじく仕組みは、アヒルや水鳥の羽毛にある自然の撥水機能に着目して開発したという。
この傘は、クニルプスの他の傘からさらに一歩進んで「環境に優しい折りたたみ傘」として開発された。ハンドルや石突などのパーツには、自然の麻から作られた100%堆肥化可能なバイオ素材を、傘生地には、100%リサイクル可能なペットボトルリサイクル素材を使用している。
カラー展開は、黒の他にグリーンとネイビーもあり、性別年齢問わず使いやすそうだ。