36歳で経済的自立を達成した、マイケル・クアン氏。
Michael Quan
- 叔父が早期退職したのを見て、マイケル・クアン氏も若いうちに引退したいと願うようになった。
- クアン氏は資金と時間を投じて不労所得源を築くことに成功し、フルタイムの仕事を辞めることができたという。
- 今では、不動産と配当、そしてブログから収入を得ている。
親戚の何人かが若くして経済的自立を勝ち取ったのを見て、マイケル・クアン氏も若いうちに引退したいと願うようになった。IT会社を設立し、それをプライベートエクイティ企業に売ったあと、クアン氏は36歳で引退したという。それまでの収入は、不労所得を生み出し続ける仕組みをつくるために投資したそうだ。
「当時、娘は1歳だった。そのとき、今こそ早期退職をして、本当の意味で家族とともに暮らす生活を始めるのに最適な時期だ、と決心したのだ。家族と一緒に暮らし、娘の子供時代を家で過ごすことが、一番の動機でした」と、クアン氏はInsiderに語った。
現在44歳のクアン氏は、自分の純資産を増やし、不労所得を得ながら暮らしていけるように資産運用している。そのクアン氏が、毎年欠かさず収入をもたらしている3つの主要な不労所得源を教えてくれた。
1. 不労所得の中心は不動産投資
2020年、クアン氏は不動産から5万9000ドル(約820万円)の収入を得た。これは不労所得全体の78%を占める。クアン氏はネバダ州に3つの不動産——2軒の一戸建て住宅と1軒のコンドミニアム——を所有している。一戸建ての2軒は長期テナントに貸しているため、毎月安定した収入をもたらしてくれる。コンドミニアムはエアビーアンドビー(Airbnb)を通じてレンタルに出しているので、追加の収入をもたらす。
また、クアン氏は家族経営の不動産投資会社の共同オーナーでもある。この会社はカリフォルニア州ベニスに集合住宅を所有していて、そこの賃貸などから得られる収入はオーナー間で分配される。
5つ目の投資先はサンアントニオにある大型の複合的なアパートメント。クアン氏はそこに不動産開発会社を通じて投資している。ここでも賃貸料から追加の収入が得られる。
2. 投資ポートフォリオの配当
去年、クアン氏は配当金の形で1万3000ドル(約180万円)の収入を得た。不労所得全体の16%に相当する。クアン氏は上場投資信託、投資信託、個別株を保有している。
得られた収入は引き出さずに、ポートフォリオへの再投資に回しているため、資産と配当金は時間とともに成長していく。
クアン氏の場合、2020年の最高配当は3つの上場投資信託からのもので、その順序は次のようだった。
- バンガード先進国市場インデックスファンドETF (VEA)
- iSharesコアMSCI新興市場ETF(IEMG)
- iSharesコアS&P 500 ETF(IVV)
「基本的に、私はグロースETFと高配当ETFのブレンドを選ぶ。だから、正直に言うと、どのセクターが最高のパフォーマンスを示すかに応じて、配当の多さは年ごとに変わる」とクアン氏は説明する。
ポートフォリオにはさらに、成長とバランスをもたらすほかのETFも含めている。
「私はETFに関しては、ポートフォリオにバランスをもたらすように、グロースETFと高配当ETFを上手に組み合わせたい。配当金がありがたいときもあれば、成長が好調なときもあるからだ。市場はさまざまな発展を見せるから、肝心なのはバランスなのだ」
たいていの場合、ETFは一般的な証券口座を通じて見つけることができる。自分にとって何が最善かわからないときは、ロボアドバイザーがそれぞれの目標やリスクの許容量に応じた分散型ポートフォリオの作成を手伝ってくれる。アメリカならば、ベターメント(Betterment)、ウェルスシンプル(Wealthsimple)、ウェルスフロント(Wealthfront)などのプラットフォームがよく知られている。日本ならウェルスナビ(WealthNavi)やTHEO(テオ)などが有名だ。
ただし、ETFにはリスクがつきものであることを、そしてリスクのレベルはETFによってそれぞれ異なることを忘れてはならない。分散度の高いETFもあれば、低いものもある。
3. ブログ収入
クアン氏は「ファイナンシャリー・アラート(Financially Alert)」というブログを運営していて、そこでお金に関するヒントや、経済的に自立して早期退職する方法などを公開している。情報の提供が楽しいだけでなく、広告やアフィリエイト、あるいはメンバーシップの会費から収入も得られているそうだ。2020年は、ブログを通じておよそ1万ドル(約140万円)の不労所得が得られた。
最近、クアン氏は、よく考えた支出、厳格な貯金計画、賢い投資、持続可能な生活などについて書いた『ザ・ファイヤー・プランナー(The F.I.R.E. Planner)』という本を出した。