新型VRデバイス「Meta Quest 3」が7万4800円で今秋登場。Quest 2は入門機として併売予定

Quest 3を装着したMark Zuckerberg

イベント開始直前にMeta CEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerber)氏は「Quest 3を装着した写真」を自身のFacebookアカウントなどに投稿した。

出典:Mark Zuckerberg氏のFacebook投稿。

Meta(メタ、旧Facebook)は現地時間6月1日、VRゲーム発表会「Meta Quest Gaming Showcase」をオンラインで開催。

新型VRヘッドマウントディスプレイ「Meta Quest 3」に関する情報と新作タイトルを発表した。

Quest 3はMR機能を強化した中価格モデルに

Quest 3の紹介動画。

出典:Meta

Meta Questシリーズ(旧Oculus Quest)は、別途PCなどの用意がいらないスタンドアローン型のVR HMD。普及価格帯のQuestシリーズと、2022年に発売した上位モデルの「Quest Pro」が存在する。

今回開発が明らかにされた「Meta Quest 3」は前者の普及価格帯モデルで、価格は128GBモデルで7万4800円(税込)。発売は2023年秋の予定。Metaによると、より大きなストレージ容量のモデルも用意する予定だという。

Quest2 とQuest 3

画像左からQuest 2とQuest 3。ヘッドバンドも異なることがわかる。

出典:Meta

また、同時にQuest 2の値下げを発表。6月4日以降は128GB版が5万9400円から4万7300円(約20.5%引き)、256GB版が6万4405円から5万3900円(約16.3%引き)となる(いずれも税込)。

旧価格と比べてもQuest 2からQuest 3で1万5400円の価格アップになる点はSNSなどでも話題を呼んでいる。価格については為替や原材料費などの影響もあるだろうが、Quest 3では以下の点が進化している。

  • 「今までで最も解像度の高いディスプレイ」を搭載。
  • クアルコム製の次世代Snapdragonチップセットを搭載(Quest 2に搭載された「Snapdragon XR2」と比べて2倍のグラフィック性能を持つ)。
  • 4MPのRGBカラーカメラを2つ搭載。深度センサーと組み合わせてMR(複合現実)の環境を実現。
  • 新しい「Touch Plusコントローラー」は、Quest Proに同梱されていたコントローラー同様にハプティクス(触感)技術を採用。

カメラ部分

紹介動画などで公開されたQuest 3の正面部分の構造。

出典:Meta

特に大きいな特徴が、正面の3つの「線」の部分にあるであろうカメラ・深度センサーで実現したMR※への対応だろう。

Quest 2もカメラは搭載されていたが、モノクロ映像でのパススルーに限定されている(Quest Proでは立体視カラーパススルーに対応)。

※MR:Mixed Realityの略。日本語では「複合現実」と翻訳される。現実世界の映像に、VR空間のオブジェクトや情報を組み合わせて表示する技術。

Meta Quest 3のTouch Plusコントローラー

Meta Quest 3のTouch Plusコントローラー。

出典:Meta

Metaのリリースによると、Quest 3は「Quest 2と比較して10倍以上の画素数のパススルーなど、さらに一歩踏み込んだ機能を搭載している」とし、「最先端のVRとMRの両方が1つのデバイスで体験できる、Meta初のコンシューマー向けデバイス」だという。

サンバDEアミーゴ

1999年にアーケードゲームとして登場したセガの「サンバDEアミーゴ」がVRタイトルとして復活する。

出典:Meta/SEGA

ビジネス用途も想定している直販価格15万9500円(税込)のQuest Proと体験の差は未知数だが、Quest 3の新しいMR機能が、ゲーム体験だけはなく、カジュアルな仕事にも役に立ちそうな期待はある。

なお、Meta Quest Gaming Showcaseでは「サンバDEアミーゴ」(セガ)や「進撃の巨人VR: Unbreakable」(UNIVRS)といった多数のVRゲームタイトルが発表された。Quest 3はQuest 2と互換性があるため、Quest 2で遊べるゲームやアプリは全てQuest 3でも使える。

Quest 2とQuest Pro

写真左からQuest 2とQuest Pro。

撮影:小林優多郎

もう一つ、ハードウェア関連のニュースとしては、価格が下がったQuest 2とQuest Proに対してのアップデートが公表された。

今後提供されるアップデートで、Quest 2とMeta Quest ProのCPU性能は最大26%、GPUの処理速度はQuest 2で最大19%、Quest Proで最大11%向上する見込みだという。

Metaは、Quest 3発売後もQuest 2とProは併売する予定で、Proは変わらず仕事用も見据えた最上位機種、Quest 2はエントリー機種としての立ち位置となる。

なお、今回明らかになった情報はQuest 3の大まかな特徴と価格、発売時期のみだ。より詳細な9月27日(現地時間)にMetaが開催予定の「Meta Connect」で披露される予定だ。

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