TOEICハイスコア社員の“英語勉強術”。公用語化に米企業の買収…急な英語ニーズとの戦い方

社員の社員

英語が公用語の企業などで働く社員に、英語学習の方法を聞いた。

撮影:横山耕太郎

会社で英語が必要になったら、あなたはどうしますか?

楽天やファーストリテイリングが公用語を英語化したことが当時話題になりましたが、金融系IT企業・マネーフォワードでも2024年末までにエンジニア部門の公用語を英語化することを決めました。

エンジニア不足を背景に、特にIT企業では外国人エンジニアの採用が増えていることなどから、社内での英語コミュニケーションの必要性が増していく可能性もあります。

実際に社内で英語を使っている社員たちは、どのように英語を勉強しているのでしょうか?

10年前に英語公用語化宣言をしたSaaS企業・HENNGE(ヘンゲ)、米国企業を買収したベンチャー企業・ビザスク、マネーフォワードの各社で働くTOEICハイスコアを持つ4人の社員に聞いてみると、英語日記を書くことやゲーム実況を聞くなど、さまざまな学習術がありました。

Facebookで英語日記、TOEIC960点に

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HENNGEの土居俊也さん。

撮影:横山耕太郎

「英語でアウトプットすると、語彙の少なさがわかります。少しでもいいので書き続けていると『これも書きたい』と調べるようになるので、だんだん表現の幅が増えるはずです」

HENNGEでクラウドサービスの開発マネージャーを務める土居俊也さん(34)がオススメする学習法は、Facebookに英語で日記を書くことだ。

HENNGEは2016年に公用語を英語化。外国社員の採用を積極的に進めており、開発職の約40人のうち、日本人は9人しかいない。

「入社後は、とにかく明日から使える英語が必要という状況でした。最初は日常会話で使える表現と語彙、文法だけをひたすら暗記して、英語で日誌を書くなど英語をアウトプットしていました。そうすることで初めて使える英語として自分に定着すると思います」

入社から数年は、TOEIC対策の勉強はしなかったが、英語で外国籍の社員とコミュニケーションができるようになった頃には、TOEIC(L&R)スコアは850点に伸びた。そこからTOEIC対策の勉強をし、現在は960点にまでスコアが伸びたという。

YouTubeゲーム実況で学習習慣をつける

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外国籍の社員と英語で会話するマネーフォワードの西村由佳里さん(中央)

撮影:横山耕太郎

マネーフォワードでクラウド会計サービスの開発チームに所属する西村由佳里さん(34)がオススメするのが、YouTubeを活用した英語学習だ。

英語学習の教材での自学は、挫折経験があるという西村さんだが、自分の好きな分野で英語に触れることで学習習慣を作ることが有効だという。

「ゲームが好きなので、英語でのゲーム実況を見て『こんなふうに発音するのか、こんな表現ができるのか』と発見があります。仕事で使えない表現もありますが(笑)」

他にもゲーム機の設定を英語に変えたり、お気に入りのボカロソングの英語でのカバーバージョンを聞いたりしている。英語に触れる機会を増やしたこともあり、TOEICのスコアは880点まで伸びたという。

「ただ、一番の勉強方法は英語しか使わない環境に飛び込むことだと思います。普段の仕事で英語を使っていくことが上達の近道だと思います」

空き時間で「英語漬け」

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ビザスクの宮﨑祐太さん。

撮影:横山耕太郎

ビザスク・CEO室の宮﨑祐太さん(30)の英語勉強法は、空き時間を活用すること。

「朝は単語や英文法の勉強をして、通勤時は英語のPodcastを聞きます。夜はオンライン英会話と、空き時間を使って勉強しています。おすすめの教材は『キク英文法』です」

宮﨑さんは2016年に新卒で英語が公用語の楽天に入社。楽天トラベル事業に携わってきたが、業務でも英語はほぼ使わず、2019年にビザスクに転職してからも国内市場を担当してきた。

しかし、ビザスクが2021年に同業のアメリカ企業・コールマンを買収したことで、このたびアメリカでのマーケティングの立ち上げ担当に抜擢された。

宮﨑さんは2023年6月から数カ月間、ノースカロライナ州への出張が決まっているという。

「海外担当は自分のキャリアとしてはまったく予想していない話で、焦りながら英語を勉強しています。現地ではただ英語が伝わればいいでは済まされません。現地の社員も巻きこめるように英語力を高めたい」

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