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- 暗号資産取引所のバイナンスがアメリカ証券取引委員会から訴えられた後、顧客は24時間のうちに同取引所から7億9000万ドルを引き上げた。
- 規制当局は、同取引所が違法に運営されており、証券規則に違反していると指摘した。
- バイナンスはこの主張に異議を唱えた。SECは1日後、コインベースも規制に違反しているとして提訴した。
暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)が証券規則違反と違法な取引所の運営でアメリカ証券取引委員会(SEC)から訴えられ、その後の24時間で顧客はバイナンスから10億ドル近くを引き上げた。
規制当局の訴状によると、世界最大の取引所は、証券に関する規則を無視することを意図した「欺瞞の網」に関与していたという。
バイナンスはSECに訴えられて以来、イーサリアムで7億9000万ドル(約1088億円)の純流出があったと、ブロックチェーン分析会社のNansenが6月6日にツイートした。投資家は過去24時間に8億7170ドル(約1216億円)相当のイーサリアムを預け入れたが、流出総額は16億5000万ドル(約2301億5700万円)だったとNansenは述べている。
これは、規制当局が6月5日にバイナンスとそのCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)に対して13件の告発を行った後のことだ。規制当局は、バイナンスはアメリカの顧客に取引規制を誤って伝え、同社のプラットフォームでの取引を制限されているにも関わらず、「価値の高い」アメリカの顧客にBinance.comでの取引を密かに許可していると非難した。
SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は「13の告発を通して、我々はジャオ氏と事業体としてのバイナンスが、欺瞞、利益相反、開示の欠如、および計算された法律の回避に従事したと主張している」と声明で述べている。
「彼らは、価値の高いアメリカの顧客を自分たちのプラットフォームに留めておけるように、偽の規則を発表することで、アメリカの証券法を回避しようとした。一般市民は、苦労して手に入れた資産をこれらの違法なプラットフォームに投資することに注意すべきことに注意すべきだ」
バイナンスとバイナンスUSは、ブログ記事とツイッター(Twitter)の投稿でこの主張に異議を唱えた。
同取引所は、数カ月前からアメリカの法律に準拠しているかについて精査されてきた。2月、ウォール・ストリート・ジャーナルは、SECがバイナンスUSとジャオと連携する2つの取引会社であるSigma ChainとMerit Peakとの関係を調査していると報じた。SECの訴状の一部では、Sigma Chainはジャオが管理するウォッシュトレード(水増し取引)を行い、バイナンスの取引量を膨らませることを目的としていたとされている。