ウォール街のサマーインターンシップは、ディールワーク、多くのネットワーキング、そして深夜のアイスクリームパーティーで盛り上がる。
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大手投資銀行でのサマーインターンシップは、ウォール街でのキャリアを始めようとしている若者にとって最も魅力的な機会の一つだ。
多くの投資銀行ではアナリストの給与が6桁を超え、中には年末のボーナス抜きで12万ドル(約1680万円、1ドル=140円換算)以上のところもある。そしてここでは、さらに高給のヘッジファンドやプライベート・エクイティの仕事への道も開けるのだ。
しかし、このような高給取りを目指すインターンの仕事とは、具体的にどんなものなのだろうか?
2021年、我々はニューヨークの大手投資銀行で働くあるインターンに依頼し、1週間の生活の詳細を記録してもらった。この人物は当時21歳の投資銀行のサマーアナリストで、会社の事情について公に話す権限がないため、自身と所属会社が特定されないことを希望した。
この人物は直近の週の月曜日から土曜日までの出来事を詳しく語り、この時点での日曜日の予定についても共有してくれた。シニアバンカーに指示されたピッチデックの修正対応から、他行の友人と週末に開いたパーティー、そしてオフィスで真夜中に開いたアイスクリームパーティーまで、細かなエピソードまで逐一伝えてくれている。
月曜日
午前9時:オフィスに向かう。私はアップタウンに住んでいるが、急行に乗れば10分ほどで到着する。
午前10時:シニアバンカーとコーヒーを飲む。インターンシップ期間中は学習、成長、質問にフォーカスしたメンターが全員に割り当てられている。
午後1時:カフェテリアで他のインターンとランチ。
午後2時:自分のデスクに戻る。その後数時間は、株式公開のための打ち合わせをメモしたり、マーケティング用の資料スライドを作成したり、チームの先輩から依頼された編集作業をしたりする。
午後6時半:近くの銀行で働く友人と夕食。
午後8時:オフィスに戻り、クライアントの株式公開に向けたスライドをいくつか作成。
午前1時:退勤。
火曜日
午前9時:オフィスに向かい、9時半頃到着。
午前10時:CEOも参加する全社イベントに出席。
午前11時:アソシエイトと会ってコーヒーを飲みながら、私が抱える最終プロジェクトのポイントについて話し合う。来週、私たちは最終プロジェクトをチームのマネージングディレクター(MD)とシニアバンカーたちにプレゼンする予定だ。これは私たちのリターンオファーを決める重要な課題だ。私は、ある企業が自身を戦略的買収者に売却すべきかどうかについて論じ、それについての質問に備える必要がある。
午前11時半:チームが取り組んでいるマネジメント・プレゼンテーションのレビューのために電話。
正午:ブライアントパークでインターン仲間数名とランチ。
午後1時:経営者向けプレゼンテーションに対するフィードバックのため、別のアソシエイトとミーティング。
午後2時:最終プロジェクトに戻る時間だ。自分のピッチデックで使うモデルの1つに取り組み、アナリストと会ってフィードバックをもらう。
午後4時:週1回のクライアントとの電話。通常インターンは電話や対面でクライアントと話すことはあまりない。メモをたくさん取る。
午後5時:バイスプレジデント(VP)と会い、経営者向けプレゼンテーションについてコメントをもらう。
午後6時半:夕食の時間だ。Seamlessで注文。夕食代は銀行が負担してくれる。最後にVPからもらったコメントに取り組み、アップデートを返信。
午後9時半:退勤。今日は早めの帰宅だ。
水曜日
午前9時:オフィスに到着。
午前11時:最近終了したディールや、私のグループがカバーしているセクターのトレンドについて話し合うためのミーティング。その後、最終プロジェクトの作業を続ける。
午後1時半:VPから新しいプロジェクトを任される。
午後2時:VPから割り当てられた新しいプロジェクトについてのミーティング。最近株式公開を支援したクライアントの決算説明会の準備をする。
午後12時半:ランチタイム。最終プロジェクトに集中しながら、Sweetgreenで注文する。
午後4時半:フルタイムアナリストの一人とコーヒータイム。残りのインターンシップを成功させるために、できるだけ多くのヒントを得ようと思う。
午後6時:Shake Shackで夕食を注文。夕食代は銀行が負担してくれるので、通常はデスクで食べる。その後、クライアントのためにマーケットアップデートを作成。
午前1時半:ようやく帰路につく。
木曜日
午前10時半:オフィスに到着。いつもよりも遅くまで寝ていた。
午後1時:この夏、ニューヨークに滞在している高校時代の友人とランチ。
午後2時半:シニアバンカー向けの収益成長スライドの作成。
午後4時:他のインターンと最終プロジェクトのモデルを確認。
午後6時:夕食をとるためにDig Innへ。ゴールドマン・サックスでインターンをしている友人のおすすめは、チキン&マカロニボウルだ。
午後7時:夕食後、同じプロジェクトのサポートグループに所属する他の8人のインターンとともに、午前2時半までオフィスに詰めて、最終プロジェクトに取り組んだ。この試練をなんとか乗り越えるべく、Van Leeuwenのアイスクリームを注文した(フルタイムアナリストの何人かも、私たちと一緒に食べていた)。オートミール・クッキー・ドウ・フレーバーが私のお気に入りだ。
金曜日
午前10時:オフィスに到着。今週末に提出する最終プロジェクトに集中しよう。
午後3時:フルタイムアナリストとランチ外出。VPが私のプロジェクトの修正ポイントを確認している間、私たちはカフェテリアで食事(これが現実世界バージョンの修正依頼、「#plsfix」だ)。
午後4時:VPからもらったフィードバックの編集作業を行う。
午後6時半:退勤。ピンクのポロシャツとジーンズに着替えて、今夜は友人とブルックリンでパーティーを楽しむ予定だ。
深夜:タイムズスクエアのマリオット・マーキス・ホテルに向かう。モルガン・スタンレーでインターンをしている友人たちは2週間のニューヨーク滞在中、ここに泊まっている。午前2時頃までホテルでおしゃべり。
土曜日
午前10時:オフィスへ。インターンは土曜日に出社する必要はないが、月曜日に最終プロジェクトの締め切りがあるため、オフィスで仕事をするのが一番楽だ。同じ目的で大勢が出社している。
午後5時:ゴールドマン・サックスに勤める友人とウェストビレッジでバースデー・パーティー。彼はプリンストン大学の友達をたくさん招待していて、他にはゴールドマンのインターン生も来る。
午後6時半:オフィスに戻り、自分のプロジェクトを仕上げる。
日曜日(予定)
午前11時:オフィスに出社。そこで一日中、自分のプロジェクトに取り組む予定だ。今晩がプロジェクトの提出期限で、それ以降は一切修正できないので、ゴールまでダッシュするしかない。
午後7時:プロジェクトの締め切りが迫っている。アップロードしてしまえば、やり直しはできない。月曜日にはシニアバンカーの前でプレゼンをして、自分を印象づけたいと思う。それまでは家に帰ってゆっくり眠ることにしよう。