株式市場を傍観することは、あなたが犯しうる最悪の過ちだとラミット・セティ氏は語る。
Courtesy of Ramit Sethi
- ベストセラー作家のラミット・セティ氏は、著書の中で「リスクは資産形成に欠かせない」と説く。
- なかでも「人が犯してしまう最悪の誤りは、リスクを恐れて株式投資をしないことだ」という。
- 「損をするかもしれないことを心配して、実際に損をする。これほど皮肉なことはない」と、セティ氏は語っている。
資産形成にとって最大の障害の1つは、リスクを恐れることだ。
「投資資産を失うことが怖くて投資を見送ると、知らないうちに実は損をしていることになる」と、ラミット・セティ氏は語る。「これは、目に見えない行動がもたらす大きな皮肉だ」
セティ氏は15年間資産に関する記事を書いているマネーのプロで、Business Insiderのインタビューに応じた。
ベストセラー『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方(I Will Teach You To Be Rich)』の中で、リスクは資産形成に欠かせないとセティは説く。株式市場に背を向けていれば、お金が増えないのも同然だ。
「損するかもしれないことを心配して、実際に損をしている。これほど皮肉なことはない」と、セティ氏は Insiderに語った。「人が犯しがちな最悪の過ちは待つことであり、誰かが自分を助けに来てくれるだろうと考えることだ。そんなことは起こりえない。毎日待っている間に、実際に損をするのはあなただ」
効果的な投資の5つのステップ
覚えておいて欲しいのは、投資する個別株や市場について専門家のような知識は必要がないということだ。ほとんどの人は、退職基金に自動積立をすることから始められるし、実施にそうすべきだとセティ氏は説く。著書では効果的な投資に対するステップを紹介している。
- 勤務先に企業型DC(企業型確定拠出年金)があるなら、マッチング拠出できる最大金額を拠出する。
- 高金利負債を返済する。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)口座を開設し、拠出できる最大金額まで拠出する。
- 保険会社が販売する医療保険や年金などの商品で、年間の掛け金が所得控除の範囲内に収まるものを検討する。
- それでもお金が残ったら、NISA口座の活用、住宅ローンの繰り上げ返済、自己投資(会社を立ち上げる、大学に行って追加の学位を取る等)に回す。
ステップ1にいる人であれ、ステップ5にいる人であれ、「市場のタイミングを計ることではなく、投資を続けることが大事だということを覚えておいて欲しい」と、セティ氏は語る。
大事なのは投資をし続けること
著書には以下のように綴られている。
過去を振り返ると、S&P500種株価指数のインフレ調整後のリターンは、年平均7~8%だ。もちろん過去のリターンが将来のリターンを保証するわけではない。だが、預金口座に寝かせておくよりも、お金は長期的には市場の浮き沈みをうまく切り抜けていく。分散されたバランスの良いポートフォリオで運用すれば、リスク水準は劇的に下がる。
相場は上がるかもしれないし、下がるかもしれない。そんなことは誰にも分らない。テレビに出ている投資専門家が言うことなどはどうでもいいし、そういう人たちはいつだって強気だ。でも実際のところ、相場の行方なんて誰にも分らない。
「大事なのは……」とセティ氏は続ける。
「本の中でも示しているように、仮に相場が良い時に20年間投資を続けていれば8%のリターンを得られる。もし最もリターンが良かった5日間投資をしていなければ、そのリターンは5%程度に下がる。これは人生においてかなりの金額だ。カフェラテが何杯飲めるか考えてみて欲しい」と、セティ氏は説明する。
「では、もしリターンが最も良かった10年間とか15年間投資をしていなければ、実際にリターンはマイナスになる。つまり、不安に駆られてあれこれ考えず、投資をし続けよう」
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