「世界の小売業ランキング2023」でセブン&アイが「世界15位」に浮上…ドン・キホーテ親会社は急成長企業25位に

Deloitte Touche Tomatsu Global Powers of Retailing 2023

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世界の小売業ランキングで、セブン&アイホールディングスが世界15位に躍り出た。

デロイトトーマツグループが6月9日に公表したレポート「世界の小売業ランキング2023」で明らかになった。

同ランキングは、デロイトトーマツグループが世界の小売業の売上高トップ250社をまとめたもの。26回目となる今回のランキングでは、2021年度(2022年6月30日までを期末とする事業年度)の結果が公表された。

上位100社にランクインした日本企業は、セブン&アイHD(15位)、イオン(17位)、ユニクロを展開するファーストリテイリング(57位)、ドン・キホーテを展開するパン・パシフィックインターナショナルホールディングス(78位)と、2022年の5社から4社に減少。上位250社についても、昨年の29社から2社減の27社となった。

セブン&アイHD、成長率55%と世界でも突出

【表1】「世界の小売業ランキング250社」にランクインした日本企業

順位 世界順位
()は
昨年順位
      企業       2021年度
小売売上高
(100万米ドル)
2021年度
小売売上高
成長率
小売売上高
年平均成長率
(CAGR)
事業
展開
国数
1 15(19) セブン&アイ・
ホールディングス
76,912** 54.7% 9.0% 19
2 17(14) イオン 72,190 1.2% 1.0% 15
3 57(55) ファーストリテイリング 19,884** 6.2% 3.6% 22
4 78(65) パン・パシフィック・
インターナショナル
ホールディングス
14,968 7.6% 17.0% 8
5 106(70) ヤマダホールディングス
(旧ヤマダ電機)
11,437** -14.5% -3.8% 3
6 133(119) ベイシアグループ 8,765 e** -0.3% 3.6% 3
7 146(127) ツルハホールディングス 8,050 -0.4% 9.7% 2
8 157(140) ビックカメラ 7,664 -1.7% 1.4% 1
9 164(162) ニトリホールディングス 7,277 13.2% 9.6% 5
10 171(154) ライフコーポレーション 6,890 1.2% 3.3% 1
11 176(159) ヨドバシカメラ 6,702 2.9% 2.7% 1
12 178(147) ケーズホールディングス 6,651** -5.7% 2.6% 1
13 182(160) コスモス薬品 6,545 4.0% 8.5% 1
14 185(207) マツキヨココカラ
&カンパニー
(旧マツモトキヨシ
ホールディングス)
6,432** 30.6% 6.3% 4
15 190(152) エディオン 6,353** -7.1% 1.1% 1
16 191(182) エイチ・ツー・オー
リテイリング
6,340 13.3% -3.2% 2
17 197(191) 髙島屋 6,161** 12.9% -3.7% 5
18 201(170) バローホールディングス 6,061 0.6% 6.6% 1
19 211(176) サンドラッグ 5,774** 2.3% 4.2% 1
20 212(175) イズミ 5,768** -0.4% -0.8% 1
21 216(193) スギホールディングス 5,569 3.8% 7.7% 2
22 219(200) ローソン 5,436 4.4% 2.6% 6
23 226(212) しまむら 5,233 7.6% 0.6% 2
24 231(206) アークス 5,168 3.7% 2.4% 1
25 245(ー) オーケー 4,661 3.2% n/a 1
26 247(226) ヤオコー 4,575 5.5% 9.4% 1
27 248(223) 大創産業 4,546 e** 4.4% 5.5% 27

CAGR=年平均成長率2016~2021年度、e=見通し、**=卸売および小売売上高を含む売上高

出所:Deloitte Touche Tohmatsu Limited. Global Powers of Retailing 2023.

世界15位となったセブン&アイHDの好調ぶりは、直近の決算からも明らかだ。

2022年2月期は売上高(連結営業収益)が8兆7497億円となり、イオン(8兆7159億円)を抜いて国内首位に立った。2023年2月期決算でも過去最高の11兆8113億円と、10兆円の大台を突破。イオンも同じく過去最高の9兆1168億円を記録したが、セブン&アイHDとの差は広がっている。

セブン&アイHDの躍進は今回のランキングでも際立っており、小売売上高成長率は54.7%と上位100社の中で最も高く、上位250社の中でも3番目に高い数値となった。

中国EC2位「京東集団」が7位に上昇

Deloitte Touche Tomatsu Global Powers of Retailing 2023

【表2】世界の小売業ランキング 上位10社

出所:Deloitte Touche Tomatsu Limited. Global Powers of Retailing 2023.

トップ250社全体の小売売上高成長率は、前年度比8.5%と、前回の5.2%を上回る好調ぶりを示した。

その要因について、デロイトトーマツグループは「新型コロナウイルス関連規制が徐々に緩和され、消費者がパンデミック以前の買い物習慣を取り戻した」ためと分析。

なかでも、衣料品・服飾品の小売企業が最も大きく伸び、「消費者の鬱積した需要が開放された結果」、成長率は前回のマイナス14%から31.3%増に転じたとしている。

ランキングのトップ3は、3年連続で、1位ウォルマート(Walmart)、2位アマゾン(Amazon.com)、3位コストコ(Costco Wholesale Corporation)の順となった。

上位10社は前回と同じ顔ぶれだったものの、中国EC第2位の京東集団(JD.com)が9位から7位にランクアップ。中国では度重なるロックダウンが行われるという厳しいビジネス環境だったにもかかわらず、小売売上高成長率は前年度比25.1%増となった。

デロイトトーマツグループは、アマゾンと同様「パンデミック下で、消費者の行動がオンラインショッピングにシフトしたことが追い風」となり、電子機器を除く一般商品の売上高が増加したと指摘。さらに「アクティブユーザーアカウントが前年度より21%増えて、5億6970万人になったことも寄与した」としている。

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