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新たなデータによれば、ブランドはますます多くの広告予算をインフルエンサーマーケティングへ注ぎ込んでいるようだ。
クリエイターに特化したマーケティングプラットフォーム、CreatorIQの新たな調査報告によると、ブランド各社はインフルエンサーマーケティングへの投資を増やし、成果を上げている。ブランドやクリエイターによるインフルエンサーマーケティングキャンペーンの管理を支援する同社は、4月28日から5月8日にかけて、代理店やブランドに所属する132人のマーケターを対象に調査を実施した。
調査によれば、調査対象企業のうち67%が、2022年から2023年にかけてインフルエンサーマーケティング予算を増やした。全体的なマーケティング予算に対する監視の目がますます厳しくなっているにもかかわらず、この分野の予算は増加していると報告書には記されている。
インフルエンサーマーケティング予算を増やしたブランドの76%が、他のマーケティング活動から資金を転用している。そのほとんどが有料広告からの転用であり、メールマーケティングや独自のソーシャルメディアマーケティングがそれに続くことが分かった。
これは、ブランドが消費者のいる場所で彼らとの接点を持つためにクリエイターへの依存度を高めるようになったことの表れだ、と語るのは、CreatorIQのコーポレートマーケティング担当シニアバイスプレジデント、ブリットニ・スター(Brittni Starr)氏だ。
「ブランドとしては、共通の価値観を中心に消費者が集まるコミュニティ内で、彼らとつながる必要があります。ただブランドがそれを自ら行うのは至難の業です」とスター氏は言う。
「クリエイターとの関係を大規模に構築することで、消費者との会話に参加することができます。そしてできることなら、フィードバックループを作り出し、時間とともにそれらのコミュニティにより自然に存在できるようになるのが最善です」
この調査では、ブランドがインフルエンサーマーケティングの取り組みから成果を上げていることも明らかになった。調査対象企業の61%が、過去1年間の売上の要因を、ソーシャルメディアプラットフォーム上のクリエイターコンテンツと結びつけることができると回答した。
しかし、ブランドは他の方法でも成果を測定している。調査対象企業の多くは、インフルエンサーマーケティングへの投資成果を、エンゲージメント(調査対象企業の51%)、コンバージョン(同28%)、インプレッション(同11%)という項目で測定していた。
調査対象となった企業の規模は、従業員数15人未満から1万人以上と幅広い。これらすべてのブランドがインフルエンサーマーケティングに投資していた。
スター氏によれば、ブランドがマーケティング努力をコンテンツクリエイターに向けている理由は、消費者が共感するのがクリエイターであるためだという。ここ数年、同じようなことが裏付けなく話されてきたが、今回の調査や、マーケティングに対するクリエイターの影響力のさらなる測定によって、ブランドがインフルエンサーマーケティングへより効果的にアプローチできる方法が示されることを期待しているとスター氏は述べている。
「ブランドは、人間的なレベルで(消費者のそばに)存在することを望んでいる。インフルエンサーマーケティングは、そのための近道だ」
また、調査対象企業の77%は、すでに自社の製品をオーガニックに宣伝しているクリエイターに対して提携を打診していると調査報告は指摘する。ブランドが自社製品に関し、すでに確立されたオーディエンスを有している可能性のあるクリエイターと提携しようとしていることも調査報告は示している。
CreatorIQがこのような調査を実施するのは今回が初めてだが、スター氏によれば、同社はインフルエンサーマーケティングとその投資対効果に関する今後のデータのベンチマークとして、今回の調査結果を利用する予定だという。
「クリエイターマーケティングの指標を、広告支出対効果など従来の指標と比較できるようになるために、測定基準を作成して設定する能力を身につけるという点で、私たちが進むべき道はまだまだ先が長いと考えています」