「にじさんじ」のANYCOLOR、本決算が「営業益2倍超」で絶好調。来期も1.3倍を予想、成長続くVTuber事業

ANYCOLORの2023年4月期決算は今期も好調だった。

ANYCOLORの2023年4月期決算は今期も好調だった。

出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

バーチャルYouTuber(VTuber。バーチャルライバーとも呼ぶ)のプロジェクト「にじさんじ」」を運営するANYCOLORが6月14日、2023年4月期(2022年5月〜2023年4月)の通期決算を発表した売上高は前期比で78.9%増となる253億4100万円だった。

営業利益は94億1000万円(前期比124.5%増)、経常利益は94億4800万円(前期比127.7%増)、当期純利益は66億9800万円(前期比139.8増)だった。

営業利益率は37.1%(前期比7.5pt増)、売上純利益率は45.7%(同3.4pt増)となった。

ANYCOLORの2023年4月期決算。売上高は前期比で78.9%増となる253億4100万円だった。

ANYCOLORの2023年4月期決算。売上高は前期比で78.9%増となる253億4100万円だった。

出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

ANYCOLORは2022年6月、東証グロースに上場。上場初日は買い気配のまま初値がつかず、同年9月に一時は時価総額が民放キー局を上回る3000億円超となったことでも話題になった。

上場1周年となる2023年6月8日には、グロース市場からプライム市場へ上場市場区分を変更した。

ANYCOLORの収益の柱は、主に「ライブストリーミング」「コマース」「イベント」「プロモーション」の4つに分けられる。今期は特にコマース分野とプロモーション分野が大きく伸びた。以下、決算説明資料をもとに2023年4月期の業績を振り返る。

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

【▼ANYCOLORと「にじさんじ」の解説記事はこちら

四半期ごとの売上高の推移

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

四半期ごとの営業利益率の推移

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

2023年4月期は「にじさんじ」「NIJISANJI EN」ともに継続的に新規ライバーがデビュー。2022年5月末にデビューし、わずか約2週間でチャンネル登録者100万人を突破した壱百満天原サロメ(ひゃくまんてんばら・さろめ)さんや、傘下のバーチャル・タレント・アカデミー(VTA)からも卒業生がデビューを果たした。

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

企業とのプロモーション案件の成功も特筆に値する。2023年2月から4月には、三重・志摩市にあるテーマパーク「志摩スペイン村」と所属VTuber「周央サンゴ」さんのコラボイベントが大きな話題を呼んだ

志摩スペイン村によると、イベント期間のうち2月〜3月の来場者数は23万6000人(前年比約1.9倍)。サンゴさんが「世界一うまい」と紹介したチュロスは一日平均で1000本(例年の約33倍)という売り上げを記録した。

また、「ROF-MAO」や「Nornis」などライバー同士のユニット活動も積極的に推進。近年はライバー個人のソロイベントも増えつつあり、楽曲やイベント、公式配信番組などの収益機会も増えている。

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

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出典:ANYCOLOR 2023年4月期 決算説明資料

創業から6年を経て、「にじさんじ」では150名以上のライバーが活動している。幅広いライバーの層が継続的にデビュー、活動することで、多様なファンベースを獲得。ANYCOLORの安定的な収益をもたらしていると言えそうだ。

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