カーライルが買収した企業のその後、「社員は命」実力主義の報酬でストックオプションは最大15%も

あえて上場廃止を選択する「戦略的非公開化」が増えている。仕掛け人であるPEファンド・カーライルで日本の部門トップを担う3人に内幕を聞く。後編の今回は経営陣の招へい、従業員のやる気を高める実力主義の報酬制度、収益への執着、豊富なグローバルネットワークをいかした海外進出の支援など、改革の詳細に迫る。

前編:“あえて”上場廃止する企業続々。仕掛け人カーライルの部門3トップが語る、脱・日本的「身の丈経営」

渡辺雄介(消費財・小売・ヘルスケアセクターヘッド)慶應義塾大学経済学部卒、ハーバード・ビジネス・スクールMBA。三菱商事を経て2006年にカーライルへ。今後は日本の経営にも携わる。

小倉淳平(テクノロジー・メディア・テレコムセクターヘッド)慶應義塾大学総合政策学部卒。UBSウォーバーグ証券会社(現UBS証券株式会社)の投資銀行本部を経て、2006年にカーライルへ。今後は日本の経営にも携わる。

寺阪令司(製造業・一般産業セクターヘッド)東京大学法学部卒業。タフツ大学(フレッチャー法律外交大学院)、スタンフォード経営大学院修了。大蔵省(現、財務省)、カーライル、ジャパンディスプレイなど複数の企業を経て、再び2020年よりカーライルへ。

買収先に送り込む経営陣の人材プールは常に確保

カーライル

提供:カーライル

カーライルが買収先企業の株式を保有する期間は約5年。その間の改革の成否を左右するとも言えるのが、社長など経営陣の人事だ。

カーライルメンバーも社外取締役に就任する。直近の例だと、ユーザベースでは取締役と執行を兼任するのがCo-CEOのみとなるシンプルな取締役体制へ移行。これに伴い、6人の取締役が退任した。カーライルからは小倉さん含む3人が新たに社外取締役として参画し、「執行の強度を高めつつガバナンスを強化した」(カーライル)と主張する。

加えて、カーライルがグループに有する人脈をフル活用してプロ経営者を招く。

これまで元ロクシタン・インターナショナル日本法人社長、元シック・ジャパン社長、元GEヘルスケア・ジャパン社長、元ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長らを投資先企業の社長や取締役などに送り込んできた。

寺阪:社長人事は会社にとって一番インパクトがあるところなので、ものすごく重要です。

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