タイタニックを探検するためにオーシャンゲート社が運用するタイタン号。
OceanGate Expeditions/Handout via REUTERS
- マイク・リース氏は、オーシャンゲートのタイタン号での4回の潜水すべてで通信が途絶えたと述べた。
- タイタン号は6月18日に母船との通信を絶って以来、行方不明になっている。
- 「通信の途絶はシステムに組み込まれているようだった。それは深海のせいであって、船体のせいではないと思う」とリース氏は語った。
潜水艇タイタン号の元乗客は、タイタニック号探検を含む4回の潜水に参加し、そのすべてで通信が一時途絶えたと語った。
タイタン号は2023年6月18日、潜水開始から2時間足らずで母船との通信が途絶え、5人を乗せたまま行方不明になった。タイタン号は潜水艇であり、潜水艦のように自ら発進したり帰港したりすることができない。その代わりに潜水スポットまでの往復を水上の母船に頼っている。
GPSは海面下1万3000フィート(約4000メートル)では使えないため、潜水艇はナビゲーションも水上船に頼っている。水上船は潜水艇の人間にテキストメッセージを送り、潜水艇の人間はビデオゲームのコントローラーを使ってその指示に従って航行する。
「ザ・シンプソンズ」の脚本家兼プロデューサーのマイク・リース(Mike Reiss)氏は、2022年にオーシャンゲート(OceanGate)のツアーでタイタニック号探検に参加した。
「タイタニック号に1回、ニューヨーク沖に3回、計4回潜ったが、毎回、短時間だが通信が途絶えた」とリース氏は6月20日にCNNに語った。
「システムに組み込まれているとしか思えない。深海のせいであって、潜水艦のせいとは思っていないが、いつも通信が途絶え、その後復活する」
2万3000ポンド(約10トン)のタイタン潜水艇は6月18日の朝、オーシャンゲートのストックトン・ラッシュ(Stockton Rush)CEOを乗せてタイタニック号への潜航に出発した。航行開始から約1時間45分後、水上船の乗組員はタイタン号との連絡が途絶えたことを知った。それ以来、潜水艇の所在はつかめず、音信不通となっている。
アメリカの沿岸警備隊は19日に捜索を開始し、その時点で潜水艇の酸素残量は70時間から96時間分程度と推定されていた。
オーシャンゲート社とタイタン号は安全上の問題について批判を浴びている。リース氏はタイタニック号への潜水で死亡する可能性があることは承知しており、事前に署名した免責書類には死亡の可能性について何度も記載されていたと述べた。彼はCNNに対し、オーシャンゲート社が無謀なことを行っていたとは感じていないと話している。
「通信が途絶えると、すぐに水面に戻った。ニューヨークの沖合にUボートを見に行ったときだ。一瞬見ただけで、『水面に戻る。ここから下に降りるべきではない』と言われた」とリース氏は述べた。
「彼らは曲芸師ではない。彼らは命知らずでもない。とても深刻な状況だ」