PayPayの「他社クレカ禁止」が2025年1月に延期。黒字化への悪影響「あまりない」

PayPayカード

PayPayは自社クレジットカードに「囲い込む」戦略の1つを延期した。

撮影:小林優多郎

スマホ決済の「PayPay」(ペイペイ)は6月22日、他社が発行したクレジットカードの利用停止時期を「2025年1月」に延期すると発表した

PayPayは5月1日のお知らせで「PayPayカード」「同 ゴールド」以外のクレジットカードを利用した決済を8月1日以降、またそれらの登録(新規紐付け作業)を7月初旬に停止すると発表していた。

当時SNSなどを中心に「PayPay改悪」などのキーワードが広まった。実際、PayPay広報も今回の延期決定に至った経緯として「想定以上に反響があったため」としている。

宮内潤一社長

ソフトバンクの宮内潤一社長(2023年2月撮影)。

撮影:小林優多郎

また、6月20日に開催されたPayPayの親会社であるソフトバンクの第37回定時株主総会では、宮内潤一社長が「8月以降の停止について、延期も選択肢に検討が始まった」と発言していた。

PayPay広報によると、今回の延期決定は「(5月1日の発表直後から)検討を始めていた」と回答。あくまでもユーザーからの声を受けて延期に至ったと、背景を説明している。

反響は大きかったものの、影響は軽微

黒字化

ソフトバンクが掲げるPayPayを含む金融事業黒字化への影響は?

撮影:小山安博

今回の決定により、ユーザーにとっては約1年半の「猶予期間」ができたことになる。

なお、ユーザーが他社のクレジットカードで決済した場合、PayPayは自社の収益から、クレジットカード会社などへ手数料を支払う必要があり、「余計な出費がかさむ期間が増えた」と見ることもできる。

ソフトバンクは2025年度までにPayPayを含む金融事業の黒字化を目指しているが、今回の決定に影響はないのか。PayPay広報担当者によると「他社のクレジットカードをつなげる方は少数で、あまり影響はない」と回答している。

ウェブでの反響は大きかったものの、該当している使い方をしているユーザーが少ないことから、自社のビジネスやユーザーの使い勝手には大きく影響しない認識だという。

PayPayは2025年1月までの間に「PayPayカードを作りたいと思っていただけるような環境を提供する」「その他のサービス改善にも努める」(いずれも広報担当者)と語っており、自社クレジットカードの会員獲得に注力する方針だ。

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