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マイクロソフトのクラウド部門責任者スコット・ガスリー(Scott Guthrie)は、昇給の一時停止とボーナスおよび株式報酬の削減を決定したことに対して、クラウド部門とAI部門の社員集会を前に厳しい質問に直面している。
マイクロソフトのクラウド/AI担当エグゼクティブバイスプレジデント、クラウド・ガスリー。
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従業員から質問が寄せられたのは、ガスリーとの「アスク・ミー・エニシング(何でも質問して)」というセッションだ。Insiderが確認した。
その質問によると、5月9日に行われた前回の集会でガスリーは、昇給に変更はなく、出張費の支払いとチームの士気を高めるための追加予算を計上すると述べていたようだ。Insiderが確認したスクリーンショットから、この会議が開催されたのは同社のサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOが従業員に給与改訂を告げる前日だった。
ガスリーの直近の集会に先駆けて寄せられた質問の多くは、マイクロソフトのシニア・リーダーシップ・チーム(社内ではLTまたはSLTと呼ばれる)に向けられたものだった。この集会は当初6月8日に予定されていたが、その後中止された。マイクロソフトは従業員に対し、集会は「技術的な問題」により中止されたと伝えている。広報担当者はそれ以上コメントせず、集会は翌週に延期されたとしている。
従業員の一人は次のように疑問を呈している。
「人員削減によって私たちの企業文化は傷つけられてしまいました。削減が発表されてから、従業員は自分の影響力を示すために拙速に成果を出そうとし、冷静さを欠いてミスを犯しており、マイクロソフトの技術的な卓越性は低下しています。
こうした問題が経営幹部からエンジニアまで全社員に影響しているのです。LTはこの問題を解決するために行動できるのでしょうか」
ナデラCEOは6月初め、同社が昇給を停止し、ボーナスや株式報酬の予算を削減すると従業員に伝えた。マイクロソフトの最高人事責任者キャスリーン・ホーガン(Kathleen Hogan)は後日、管理職宛てに電子メールを送信し、「特別な報酬」を与えるのは少数の従業員に限定し、「ミドルレンジの従業員の報酬を増やさなければならない」と指示している。
昇給停止が発表された数日後、従業員たちは社内メセージボードに不満をぶちまけている。
Insiderが確認したスクリーンショットによると、ある従業員は次のような書き込みをしている。
「経営陣が顔を見せるたびに、私たちはこの不快な思いを伝えていく必要があります。アスク・ミー・エニシングのような(経営幹部に直接質問をぶつけられる)イベントや全社ミーティング、ソーシャルメディアへの投稿があるごとに、経営陣の判断(が従業員にもたらした不快)を思い起こしてもらいましょう。従業員にこんなひどい仕打ちをすることが適切だと考えるに至った理由をぜひ聞きたいと思いませんか?」
マイクロソフト執行副社長のチャーリー・ベル(Charlie Bell)は5月、同社のセキュリティ部門の全体集会で、従業員から厳しい質問が飛び、風当たりの強さを味わうことになった。Insiderは同集会で出た質問の内容をスクリーンショットで確認した。
同様に、クラウド部門のガスリーのアスク・ミー・エニシングも、中止が決まる前には従業員から次のような厳しい質問が届いていた。
「前四半期に180億ドル(約2兆5200億円、1ドル=140円換算)以上もの利益を上げた企業が、わずかな年次昇給も従業員に支払う余裕がない理由を説明していただけますか」
「優秀な人材をどのように確保していくつもりなのでしょうか。今年の昇給はなく、すでに競合他社より給与は見劣りしています。そのうえ最近の人員削減のせいで、より少ない人数でより多くの仕事をするよう求められています」