オーシャンゲートの潜水艇、タイタン号。
OceanGate Expeditions via AP, File
- タイタニック号の近くで発見された破片は、行方不明のタイタン号のものであることが確認された。
- この破片は、タイタン号が壊滅的な「爆縮」に見舞われたことを示している。
- 「爆縮」とは、爆発のようなものだ。船体は一瞬のうちに粉砕されただろう。
アメリカの沿岸警備隊は6月22日、タイタニック号の船首から1600フィート(約488メートル)離れた場所で発見された破片が、行方不明の潜水艇のものであることを確認した。
この破片は、タイタン号が6月18日にタイタニック号に降下する際に壊滅的な爆発を起こした可能性が高いことを示す証拠だ。
潜水艇は、水面下12500フィート(約3800メートル)のような破壊的な水圧に耐えるように設計されている。その圧力は海水面の約400倍だ。
しかし、船体に何らかの損傷や欠陥があれば、水漏れを引き起こし、その巨大な圧力下で即座に「爆縮」する可能性があるとHITCは報じている。
「圧力容器が壊滅的に損なわれた場合は、小さな爆弾が爆発するようなものだ」とシドニー大学のステファン・ウィリアムズ(Stefan Williams)教授(海洋ロボット工学)はガーディアンに語っている。
6月18日に潜水艇が母船との通信を失って以来、救助活動が続けられている。全長21フィート(6.4メートル)の小さな船内に乗客5人が生きたまま閉じ込められてしまうのではないかと心配されていた。
しかし、爆縮の可能性が高いとすれば、乗客はおそらく長く苦しむことはなかっただろう。オーシャンゲートの創設者の一人であるギレルモ・シェンライン(Guillermo Söhnlein)氏は「もしそうだとしたら、それは4日前に起こっていたことだろう」とBBCに語った。
さらにジャーナル・オブ・フィジックスによれば、爆縮はほとんど瞬間的で、数ミリ秒しか続かなかったはずだという。
同じようなことは、1961年にアメリカ海軍のスレッシャーという潜水艦でも起きており、この潜水艦は爆縮したと考えられている。Naval History Magazineによれば、この破局的な出来事は、金属製の艦船を「飴のように」破壊したという。
「その完全な破壊は20分の1秒で起こり、潜水艦の中にいた人間には認識できないほどの速さだっただろう」
爆縮は爆発の正反対の事象だ。内部からの圧力が外部に移動する代わりに、外部からの圧力が押し寄せる。爆発と同じように、船体とその積荷はあまり残らないだろう。
「遺族には何の慰めにもならないだろうが、彼らは即死だった」とジャーナリストのデイビッド・ポーグ(David Pogue)氏はCNNで語った。