Androidの共同創業者、アンディ・ルービン。
Justin Sullivan/Getty Images
2003年、小さなスタートアップ企業だったAndroid(アンドロイド)は、なかなか成功できずにいた。カメラ用OSというアイデアでは投資家を惹きつけられなかった同社は、当時爆発的に成長していたフィーチャーフォンと、その次に来るプロダクトに軸足を移すことにした。
Androidは、携帯電話メーカーに無料で提供可能なオープンソースOSの計画を立てた。ワイヤレス通信事業者を口説いて、好きなようにブランド化や変更ができる、Androidソフトウェア搭載の電話機を購入してもらうことは可能と踏んだのだ。Androidは収益を上げるために、通信事業者に対してインターネットベースのソフトウェアサービスを販売する計画だった。
だがこのアイデアは、大半の人には一笑に付された。というのも、電話機市場は通信事業者が運営しており、その主導権を譲ることなどありそうもなかったからだ。
しかし、Androidが否定論者たちを納得させるのに、それほど時間はかからなかった。2005年1月にグーグル(Google)の共同創業者ラリー・ペイジ(Larry Page)がAndroidのもとを訪れ、その6カ月後にはグーグルがAndroidを買収したのだ。その額は5000万ドルと報じられている。
Insiderは、Androidがモバイル用OSのアイデアを売り込む際に使用したピッチデックのコピーを入手した。これを見ると、初期のスマホ市場に君臨していた巨人、マイクロソフト(Microsoft)とシンビアン(Symbian)に対抗するための詳細な戦略が手にとるように分かる。
ピッチブック(PitchBook)のデータによると、AndroidはアーリーステージのVCラウンドで31万ドルを調達した直後にグーグルに買収された。ストラテジー・アナリティクスによれば、その後グーグルはAndroidを世界で最も人気のあるスマホOSにし、少なくとも世界市場の4分の3を占めるようになった。
買収後、Androidのトップだったアンディ・ルービン(Andy Rubin)を含め、Androidの初期メンバーのほとんどがグーグルを去った。ニューヨーク・タイムズは、ルービンが性的不正行為容疑の捜査を受けて2014年に退職したと報じているが、ルービンはこれを否定している。
以降では、26枚からなるAndroidのピッチデックを見ていこう。
Androidは、ルービン、ホワイト、シアーズ、マイナーにより2003年に創業。スウェットランドは2004年に加わった。
Android
携帯電話機の出荷台数は2003年から2004年にかけて急増しており、成長が続くことは間違いなかった。
Android
Androidは、携帯電話機のコストに占めるソフトウェアの割合は高まっていくと予測していた。
Android
Androidは、携帯電話機メーカーのソフトウェアの弱点に照準を定めた。
Android
Androidがこの取り組みを始めた当時、初期のスマホ用OSのリーディング企業といえばマイクロソフトとシンビアンだった。
Android
Androidは、オープンソースモバイルOS市場の間隙に目をつけた。
Android
ルービンは2013年のサミットで、「私はマイクロソフトを気にしていたし、シンビアンも気にしていた。iPhoneのことはまだ気にかけていなかった」と語っている。
Android
ミッション・ステートメントでは、Androidの初期のビジネスモデルはインターネットベースのサービスだと謳っている。
Android
Androidは当時、リナックス(Linux)のエコシステムを「機能しない」と評していた。
Android
AndroidはAPIを利用して、オープンソースで提供するサービスに秩序をもたらすことを計画していた。
Android
Androidは、Android携帯電話機を購入した通信事業者にサービスを販売することで利益を得ることを想定していた。
Android
Androidは6%の市場シェアを想定して収益予測を立てていた。
Android
Androidはその時すでに、モバイルアプリの次の波について考えていた。
Android
Androidはサムスン(Samsung)やHTCと交渉したり、サン(Sun)の幹部とJavaのライセンスについて協議したりしていた。
Android
ホーム画面にグーグル検索ページが表示されたAndroid携帯電話機の写真が掲載されている。
Android
1枚目のバックアップスライド:Androidは「マイクロソフトとは一線を画すプラットフォーム」をどのように活用するかを説明している。
Android
「ハワード・スターン・イン・ユア・ポケット(Howard Stern in your pocket)」などの「キラーアプリ」を売り込んでいる。
Android
ワイヤレス通信事業者に販売する予定のソフトウェアサービスについての説明。
Android
Android、リナックス、テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)のドライバーでブラウザやその他のアプリがどのように動作するかを説明。
Android
ワイヤレス通信事業者にとってのメリットを売り込んでいる。
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「次なるキラーアプリ」には「音声UI(Voice UI)」と決済が含まれている。
Android
カメラアプリからハードウェアに至るまで、さまざまなOSスタックを並べている。
Android
Androidは、オープンウェーブ(Openwave)、サバージュ(Savaje)、ホペン(Hopen)、モンタビスタ(Monta Vista)などを競合他社と見なしていた。
Android
パームOS(Palm OS)、マイクロソフト、シンビアンなどの、2003年のOS市場シェアを共有。
Android
Androidは「フィーチャーフォン」に商機を見出していた。
Android
Androidはピッチデックの最後で、ワイヤレス通信事業者に焦点を当てている。
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