ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領。2015年9月18日撮影。
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- ベラルーシのルカシェンコ大統領は、プーチン大統領がプリゴジンを暗殺しないように説得したと語った。
- ルカシェンコは27日の演説でこう述べた。「私は彼に言った。それをしてはいけない、と」
- プリゴジンはロシアに対する武装反乱を起こし、モスクワに進軍しようとした。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は、ロシア軍に対する武装反乱を扇動したワグネル・グループの創設者で資金提供者であるエフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)の暗殺についてロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統領と話し合ったことを明らかにした。
ルカシェンコは6月27日、プリゴジンがプーチン大統領と交わした合意の一環としてロシアからベラルーシに到着したことを認めた。この合意は脆弱な休戦協定であり、傭兵指導者が見かけ上の亡命と引き換えに短命の反乱を中止したものだ。
ルカシェンコは演説で「私はプーチン大統領に『彼を排除することはできる。問題ない。最初にうまくいかなければ、次はうまくいくと言った」と述べた。続いて「そして、私は彼に『それをしてはいけない』と言った」とルカシェンコは述べ、その映像をガーディアンのショーン・ウォーカー(Shaun Walker)記者がツイッターに公開した。
ベラルーシの国営メディアBelTAによると、もしプーチンがこの計画を実行に移すと決めていたら、交渉などできなかっただろうとルカシェンコは語ったという。
プリゴジンとロシア軍指導部との数カ月にわたる確執は、23日にワグネルの指導者がウクライナで戦闘員に対する致命的な攻撃をモスクワが行ったと非難したことで、ついに沸点に達した。激怒したプリゴジンはロシア国防省を「邪悪」と非難し、直ちに武装蜂起を呼びかけた。
ワグネルの部隊はロシアに進入し、南部の都市ロストフ・ナ・ドヌーを占領した後、防衛態勢を整えるモスクワに向かって北上した。しかし、傭兵たちがモスクワに到着する前に、そしてロシアが戦闘で航空機を失った後に、ルカシェンコは反乱を終わらせてプリゴジンをベラルーシに送るための交渉を仲介した。
プリゴジンは6月26日にようやく沈黙を破り、ロシア軍機の撃墜について遺憾の意を表明したが、反乱を実際に起こしたことについては特に謝罪しなかった。その日のうちにプーチンは、裏切り者は「法の裁きを受ける」とする短くてやや混乱した演説を行い、合意の実効性に疑問を投げかけることで、ワグネルの指導者がさらなる事態に直面する可能性を示唆した。
しかし6月27日、ロシアの国家安全保障機関であるロシア連邦保安庁は、反乱に関する刑事捜査を打ち切った。ロシア国営メディアによると「この件と捜査に関連するその他の状況を考慮し、捜査当局は6月27日に刑事事件を終結させるという決議を下した」という。