エビからデオドラントまで「あらゆるもの」が盗まれている —— 米食料品チェーン、閉店の可能性に言及

ジャイアント・フード

Alex Bitter/Insider

  • アメリカの中部大西洋沿岸地域を中心に展開している食料品チェーン「ジャイアント・フード(Giant Food)」は、万引きの影響で一部店舗を閉めなければならないかもしれないと、社長のアイラ・クレス(Ira Kress)氏は語った。
  • ジャイアント・フードでは、セルフレジで客が購入できる商品の数も制限しているとクレス氏はWTOPに語った。
  • アメリカでは複数の小売店が万引きや従業員の安全を理由に店を閉めている。

万引きの影響で閉店の可能性に言及した小売店がまた出てきた。

今回はアメリカのデラウェア州、メリーランド州、バージニア州、ワシントンD.C.で約170店舗を展開するジャイアント・フードだ。社長のアイラ・クレス氏は6月下旬、万引き犯はエビからデオドラントまで「あらゆるもの」を店から盗んでいるとワシントンD.C.のラジオ局WTOPに語った。そのため、同チェーンでは客が従業員に声をかけ、カギを開けてもらわないと購入できない商品が増えている。

暴力も心配しているとクレス氏は言う。

「店は安全に、利益が出るように運営しなければなりません」とクレス氏はWTOPに話している。

「その両方が守れなければ、店を閉めるしかなくなるでしょう。大きな損失です」

具体的にどの店舗に閉店の可能性があるのか、クレス氏は明らかにしなかった。

万引きを防止するため、ジャイアント・フードではセルフレジで客が一度に購入できる商品の数も20に制限していると同氏は語った。この対応は、生鮮食品から加工食品までカゴいっぱいに食料品を買いたい一部の客からは批判もあるという。

「以前はカゴいっぱいに購入できました。今は20アイテムまでに制限しています」

Insiderはジャイアント・フードにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

2022年秋にはメリーランド州にあるジャイアント・フードで警備員と万引きの容疑者が撃ち合いになり、2人とも死亡したと地元のテレビ局News4が報じた。クレス氏は6月下旬、ジャイアント・フードでの万引き件数は「おそらくこの3年で5~10倍に増えた」とNews4に話している

万引きを理由に、閉店やその他の対策の可能性に言及する小売業者はジャイアント・フードだけではない。2022年にはウォルマートのCEOダグ・マクミロン(Doug McMillon)氏が、万引きが続くようなら閉店や値上げの可能性もあると話した。サンフランシスコではアマゾン傘下のホールフーズ(Whole Foods)がオープンからたった1年で店を閉めた。ホールフーズは店で働く従業員を脅かす問題として、客による暴力や薬物の使用を挙げたとニューヨーク・タイムズは報じている。

ただ、万引きの問題について、誇張し過ぎたとの考えを示す小売業者もいる。ドラッグストア大手のウォルグリーン(Walgreens)は万引きを理由にサンフランシスコにある5店舗を閉めたが、同社のCFOは2023年に入って、こうした問題について「大げさに騒ぎ過ぎた」と語っている。

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