一部は楽しみに使っても良いが、10%ルールを守ろう。
metamorworks/Shutterstock
- 汗水垂らして働いて得たボーナスを、「降ってわいたお金」として扱ってはいけない。
- 報酬全体の一部と捉えることで、良い仕事を続けていくためのモチベーションを得られるはずだ。
- そんなふうにボーナスからより多くの価値を引き出す方法は、次の4つだ。
年に数回のボーナスが出たら、何か楽しい事やどうでもいいことにお金を使いたくなるだろう。
だが、ボーナスは棚から落ちてきた餅ではない。汗水垂らして働いて得たものだ。だからこそ、そこからより多くの価値を引き出す方法を検討すべきだろう。
ボーナスを「降ってわいたお金」として扱うのではなく、「報酬」全体の一部と捉えることが重要だ。そうすることで、良い仕事を続けていくためのモチベーションを得られる。
「ボーナス」からより多くの価値を引き出す方法は、次の4つだ。
1. ボーナスで借金を返済しよう
クレジットカードや消費者ローンなど無担保の借金がないか、真っ先に考えてみよう。こうした借金の金利は往々にして高いので、ボーナスの一部を使って積極的に返済すべき最有力候補だ。そうでなければ、金利として支払う費用が長い間に非常に高くつくからだ。
また、学生ローンを借りているならそれも忘れないようにしよう。今は不便を感じなくても、手元に現金があるうちに元本の一部を返済しておくことは、長い目で見て得策だろう。
2. 退職に向けて投資しよう
借金を返済してもまだ手元に資金が残っているなら、次に考えるべきは退職貯蓄口座だ。年金という長期運用に資金を回すことで、複利の効果を享受できる。
企業型確定拠出年金(企業DC)や個人型確定拠出年金(iDeCo)に上限まで拠出しているうえに、差し当たってほかに支出先がなければ、投資に回そう。投資は長期的な資産形成に役立つし、長い目で見て保証や将来の補完的な所得にもなる。
その際に気をつけたいのが、場当たり的に投資をしないことだ。注目株に手を出したり、デイトレードをしたりせず、銀行預金よりも高いリターンを上げることを目指した秩序正しいアプローチを取ろう。
3. 自分や将来の目標のために支出する
ここまできたら、それ以外の長期的な目標のなかで、どれが最も優先順位が高いかを考えることが重要だ。例えば、数年以内にマイホームを建てたいと考えており、すでに目標とする貯蓄額が頭にあるなら、そのために使うのが明らかにベストだろう。
子どもを大学に通わせるための貯蓄を優先するならば、その費用としてボーナスの一部を充てるのが良いかもしれない。学資保険の支払いを年1回のボーナス払いにすれば、毎月支払うよりも保険料が安くなるはずだ。ちなみに学資保険は、生命保険料控除の対象になる。
また、保険会社が販売する医療保険はどうだろうか? 日本は国民皆保険であり、高額療養制度もあるので医療保険は不要という声もある。だが、公的保険がカバーしてくれるのは一部の治療費だけで、先端医療は対象外だ。
さらに、差額ベッド代や働けなくなった時の保障など、もしもの時に医療保険が助けになるかもしれない。それに医療保険の掛け金も、一定金額まで税額控除の対象になる。
もう1つのボーナスの賢明な使い方は、伝統的な株や債券に投資するかわりに、自分自身やキャリアに投資することだ。仕事に役立つ講座を取るのはどうだろうか。例えば、業界独自の資格や、スピーチやプロジェクト管理といったスキルに関連する研修コースも良いだろう。
自分への投資は現在の仕事での価値を高めるのに役立つだけでない。今、先々のキャリアのために投資をしておけば、後々昇給や昇進の交渉をする時になって報われる可能性もある。
4. 一部は楽しみに使っても良いが、10%ルールを守ろう。
ボーナスは働いて得たお金であって、宝くじに当たったわけではない。だから、そこからより多くの価値を引き出すべきだ——。しかし、そうはいっても、将来の資産のために投資をするのと同じくらい、自分を労わることも大事なことだろう。
一生懸命働いたご褒美として自分に何か買うために、ボーナスとして受け取った金額の10%を必ず取っておこう。高価な宝石や洋服など、ずっと欲しかった物を買えるわけだ。
また、週末にどこか未知のワクワクする場所に休暇に出かけても良い。こうしたセルフケアは大事なことであり、良い仕事を続けるモチベーション維持になるだろう。