30万ドルの「空飛ぶクルマ」、テスト飛行の認可を取得

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

Alef Aeronautics

  • アメリカのスタートアップ、アレフ・エアロノーティクスの空飛ぶ車「モデルA」がアメリカ連邦航空局のテスト飛行の認可を取得した。
  • アレフ・エアロノーティクスは、この全電動車の航続距離は200マイル、飛行距離は110マイルだとしている。
  • この車の価格は30万ドル。実物大モデルの画像は空飛ぶ車の可能性を示している。

アメリカのスタートアップ、アレフ・エアロノーティクスの電動の空飛ぶ自動車が、アメリカ連邦航空局からテスト飛行の承認を取得したと発表した

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

Alef Aeronautics

カリフォルニア州の自動車メーカー、アレフ・エアロノーティクス(Alef Aeronautics、以下アレフ)は、2023年6月27日、同社の開発した空飛ぶ車「モデルA(Model A)」が、アメリカ連邦航空局(FAA)から特別型式証明(Special Airworthiness Certification )を取得したと発表した。同社によると、このような乗り物がアメリカ政府から合法的な飛行許可を得たのは初めてのことだという。

FAAは現在、電動垂直離着陸機(eVTOL)についての方針を現在策定中であるため、この証明書では飛行が許可される場所と目的は制限されている。

2023年10月のプレスリリースで、アレフは2019年から実物大のプロトタイプ(試作機)を試験運転と飛行を行っていると発表している。

アレフが公開した実物大モデルの画像では、この車がどのようなものかを示している。


最長で約177kmの飛行が可能

飛行中のアレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

飛行中のアレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

Alef Aeronautics

アレフによると、全電動のモデルAの走行距離は最長200マイル(約321km)、飛行距離は110マイル(約177km)だとしている。この車は、都市部の一般的な道路や・駐車スぺースに適合すると同社は述べている。

「道路を走行し、必要に応じて垂直に離陸し、道路の上空を飛行するように設計されており、現代の渋滞問題の解決策を構築している」とアレフのウェブサイトには書かれている。

「我々は、滑走路を必要とせずに車を昇降させる独自の技術で、より速く、より簡単な通勤を可能にする」

アレフによると、モデルAは低速走行が可能な車両だという。「ドライバーがより早いルートを必要とする場合は、アレフの飛行機能を使用することが想定されている」と同社は述べている。


飛行中、乗員は「安定」している

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

Alef Aeronautics

アレフによると、この2人乗りの車のデザインは、「スムーズで安定した乗り心地と飛行」を提供し、乗員は、「安定」した状態に保たれるという。また全車両に緊急弾道予備パラシュートが装備されている。


アレフは2025年の納車開始を目指す

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

Alef Aeronautics

モデルAの価格は30万ドル(約4335万円)だ。2023年10月に先行販売が開始され、購入希望者は150ドル(約2万1670円)の手付金を支払って予約する。また、1500ドル(約21万6700円)の手付金を支払えば優先予約となる。アレフによると、個人と企業の両方から「好調な予約注文」を受けているという。

同社は、2025年末までに最初の車両を納車する予定だと先行販売開始時に述べている。


アレフはより大きな空飛ぶ車も開発中

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

アレフ・エアロノーティクス「モデルA」。

Alef Aeronautics

アレフによると、より大きなタイプの4人乗りのセダン「モデルZ(Model Z)」の開発も進めており、納車は2035年ごろの予定だと2023年10月に発表している。

このスタートアップの支援企業には、イーロン・マスク(Elon Musk)の宇宙開発会社スペースX(SpaceX)も含まれている。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み