ニューヨークのオフィスビル、空室率23%。金利上昇、リモートワーク…貸すほど赤字で“ゾンビ”ビル増殖中

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ニューヨークを象徴するフラットアイアンビル(中央)。今、このビルをはじめ数々の商用ビルが“ゾンビ”化している。

Mario Tama / Getty

フラットアイアンビル(Flatiron Building)は、ニューヨークを象徴する高層ビルで、その名を冠した地区があるほどだ。しかし、この物件には4年前からテナントがほとんど入っていない。

2019年に出版大手のマクミラン(Macmillan Publishers)がこのビルを明け渡した時点では、ニューヨークのオフィス市場はまだ熱かった。しかし、マクミランが抱える1100人の従業員がいなくなったことは、歴史的なこのビルにとって致命傷となった。それは、22.7%という記録的なレベルにまで上昇したニューヨークのオフィス空室率をめぐる問題の、象徴的な出来事だった。

“ゾンビ”ビルがあちこちに出現

フレキシブルオフィス企業のノーテル(Knotel)にビルを丸ごと賃貸し、大規模な改修工事を行うというオーナーの当初の計画は、訴訟の中で破綻した。訴訟の焦点のひとつは、予定されていたアンカーテナントに対する談合疑惑だった。一方、ノーテルはその後倒産しており、仮にビルに入居していたとしても家賃の支払いに問題が発生していた可能性がある。

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