学生たちは新たなガイダンスの下、「AI使い」を目指すことになる。
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- イギリスの大学グループが、学生および職員がAIをフル活用するためのガイダンスを発行した。
- ラッセル・グループは、24校の副総長の支持を得て、この指針を作成した。
- 加盟校は、テクノロジーが発展しても、自校の品位は守ることを誓った。
イギリスの大学グループが、学生および職員が生成AIをフル活用して良いという、一連の指針に同意した。ただし、倫理的に使うことが条件だ。
ラッセル・グループ(Russell Group)は、オックスフォードやケンブリッジを含む、イギリスの24の主要大学で構成されている。このほど、全校の副総長の支持を得て、この指針を作成した。
学生および職員が「AIマスター」になる支援を約束する内容がまとめられている。ガイダンスによると職員は、学生が生成AIツールを使うサポートをし、テクノロジーの倫理的な使用が可能となるように、各自の教育および試験方法を合わせなければならないという。
大学側も同様に、テクノロジーの発展に伴い、自校の品位を守りながら、最良の方法を伝えられるよう一丸となることを誓うとしている。
こうしたガイダンスは初めてのものではないが、教育機関による生成AIへのアプローチ計画が変化してきているのを示していると言っていいだろう。
教育現場はこの新たなテクノロジーで一番最初に混乱することとなった。教師や教授の多くは、広がるカンニングの対処に追われた。AIを使ったかどうか、見破るのは難しい。
以前複数の教授がInsiderに対し、OpenAIのChatGPTリリースは実に破壊的だ、生徒がAIを使ってカンニングをしないように、教育や試験の方法を変えることを考えている、と語っていた。AIによる盗作や誤った情報のリスクを冒すよりも、単純にチャットボットを全面禁止した大学や学校もある。
ラッセル・グループのチーフ・エグゼクティブ、ティム・ブラッドショー(Tim Bradshaw)は、記者会見で次のように述べた。
「AIの躍進はすでに我々の働き方を変えつつあり、学生たちは充実したキャリアを築くために、新たなスキルを身に付けることが重要だ。そして、大学の職員たちにもサポートが必要だ。AIがいかに授業を良くし、教科に命を吹き込むのに役立つかを考えるために」
「その価値をきちんと理解した上で、教育にAIを選択することは、皆の利益になるだろう」とブラッドショーは付け加えた。