インスタグラムのアダム・モッセーリCEOは、Threadsをインスタグラムに統合するのではなく、独立したアプリにするという選択をした。
Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch
- インスタグラムのアダム・モッセーリCEOは、Threadsを独立したアプリにするのはリスクが高いと語っていたとThe Vergeが報じている。
- 彼は、スタンドアローンアプリは、新規ユーザーを獲得することが難しいという。
- イーロン・マスクの買収後、一部のツイッターユーザーが代替プラットフォームを求める中、このアプリがローンチされた。
インスタグラム(Instagram)は、ツイッター(Twitter)のライバルとしてリリースしたThreadsで飛躍的な成長を遂げようとしている。
インスタグラムのCEOであるアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)は、新しいソーシャルメディア・プラットフォームをどのようにデザインするかで悩んだと語っている。彼らはThreadsをインスタグラムのフィードの一部にするのか、独立したタブにするかを検討したが、最終的には独立したアプリにすることを選んだ。
「社内で大論争になった」とモッセーリはThe Vergeのインタビューに答えている。
この決断の背景には2つの理由があるという。インスタグラムのフィードの「投稿とコメントのモデル 」はツイッターと違い、「基本的に公共の言論をサポートするものではない」。また、スレッドを別のタブにすることは、プラットフォームを複雑にしすぎる。
それでも、独立したアプリを作るという決定は、インスタグラムが新しいユーザーをこのプラットフォームに呼び込むための潜在的な障害になる可能性があるとモッセーリは認めた。
「独立したアプリは、成功する可能性が非常に低い。しかし、もし成功すれば、そのアップサイドはより大きなものになる」
Threadsユーザーは、独立した構造の下で公共の議論を促進するためにアプリを使用するための「より多くのスペース」を持つことになる。そしてそれはまた、インスタグラムがその中核で写真共有プラットフォームであり続けることを保証する。
「すべてがうまくいくとは限らないが、企業として必要だと思うようなスピードで本当に進化することを望むのであれば、このようなハイリスクな賭けを常に行うべきだ」と彼は語った。
インスタグラムの広報担当、クリスティン・パイ(Christine Pai)はInsiderに対し、インスタグラムのあり方を維持するためには独立したアプリが必要だったと語った。
「インスタグラムはビジュアルを共有するプロダクトだというフィードバックを得ている。Threadsは、テキストや会話のための独立したアプリとして作られた。この独立したスペースによって、クリエイターや公人はタイムリーな最新情報をテキストで共有し、前後の会話に参加することができる」
モッセーリCEOのThreadsに対する考えは、イーロン・マスクによる買収の後、ツイッターユーザーがそのサイトに嫌気がさし、代わりにMastodonのような代替プラットフォームを求めるようになってきていることから来ている。Threadsにとっては、ユーザーベースを拡大するチャンスになるかもしれない。
モッセーリはツイッターについてThe Vergeにこう語った。
「安定性のようなものが問題になり始めたり、製品が大幅に変更されたりした場合には、そうでもなければ競争するのがかなり難しそうな相手でも、我々にとっての隙ができるかもしれない」
実際、Threadsは新規ユーザー獲得に前進しているようだ。インスタグラムの親会社であるメタ(Meta)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、アプリの公開からわずか数時間後には3000万件の登録があったようだとThreadsへの投稿で書いている。
それでも、Threadsがモッセーリの期待通りに成功するかどうかは、時間が経ってみなければわからない。
「別のアプリを作るのであれば、半年や1年しか使わないのであれば、それをやる意味がない。本気で走らなければならない」