最低限の荷物で身軽にお出かけ。叶えてくれたのは「10年後になくなるべきブランド」のショルダーケースだった

外出の際に必要なものはそこまで多くないはずなのに、ちょっとした外出でも大きいトートバッグやサコッシュを選んでしまうことが多い。

もっとコンパクトに持ち歩けるバッグがないかと探していたときに、気になるアイテムを見つけた。

「10年後になくなるべきブランド」

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マルチショルダーケース(税込7370円)

撮影:間宮葵

それが「PLASTICITY」のマルチショルダーケース。このブランドは「10年後になくなるべきブランド」をコンセプトに掲げている点が特徴的だ。

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撮影:間宮葵

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撮影:間宮葵

その宣言の真意は、製品の素材にある。同ブランドから販売されているバッグやウォレット・ベルトは、廃棄されたビニール傘から作られているのだ

ビニール傘は年間8000万本が消費されていると言われており、金属・プラスチックに分別する難しさからリサイクルされることが少なく、ただ焼却されているのが現状だ。

「PLASTICITY」では、そんなビニール傘を人の手で解体・洗浄して生地に再利用している。

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撮影:間宮葵

そもそもブランド名として使用されている「plasticity」という英単語は、外部から加えた力で形を変えられる「可塑性」という意味を持つ。ビニール傘がバッグやウォレットに形を変えていく製作過程を彷彿とさせる。

都市で頻繁に起こる環境問題がすぐにでも解決されるようにという祈りを込めて、自らを「10年後になくなるべきブランド」だと宣言している。

サステナブルかつデザインもキュート

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撮影:間宮葵

サステナブルな素材にこだわったブランドは多くあるが、「PLASTICITY」はデザイン性も高いのが特徴だ。

クリアなマルチショルダーバッグは、ツヤツヤとした涼やかな質感で夏のお出かけにもピッタリ。

ビニール傘からできていると知って身構えていたが、曇りがかった白色からチープな印象は受けなかった

ケースの容量は少なめ

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撮影:間宮葵

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撮影:間宮葵

ただ肝心のケースは、容量が少ない印象だった

スマートフォンであれば収納できるのは6.1インチまで。厚みのある財布を入れるにはマチが足りないため、基本的にカードウォレットくらいしか入らない。

スマートフォンやリップ、イヤホンだけではなく、三つ折りの財布や化粧ポーチまで持ち歩くなら、同じブランドから発売されている「ミニショルダーバッグ」のほうが容量的にはよさそうだ。

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撮影:間宮葵

廃棄されたビニール傘からできているということもあって、素材には独特の褪色や使用感がある。実際、私が購入したマルチショルダーバッグにも、ブラウンの染みが見られた。しかしそれこそがこのアイテムの魅力でもある。

本当にビニール傘として、どこかの誰かが雨を凌ぐために使っていた道具が、今こうしてバッグとして自分の手元にあるのだという実感が得られるのは、なんとも面白いものだ。

さまざまな産業の中でも、環境への影響が大きいアパレル産業。服やバッグを新しくするなら、少しでも環境に良い影響を与えられるブランドを選びたいものだ。



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